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[社説]EUの「国境炭素税」導入…危機を好機に変えよ

登録:2021-07-17 06:44 修正:2021-07-17 07:00
欧州連合のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長(右側から4番目)らが14日(現地時間)、ベルギーのブリュッセルでカーボンニュートラルの実践的な方策を含めた「Fit for 55」を発表している=ブリュッセル/ロイター・聯合ニュース

 韓国の3番目の輸出市場である欧州連合(EU)が14日(現地時間)に公開したカーボンニュートラルの実現のための強力な対策は、韓国国内の産業界の気候変動問題への対応が急務になったことを実感させる。韓国企業と政府は、気候変動問題への対応の切実さに目を向け、官民が力を合わせ危機を好機に変える抜本的な対策を用意していかなければならない。

 EUは先月28日、2050年にカーボンニュートラルを達成するよう明示した「気候基本法」を制定したのに続き、今回は具体的な実践方法を含めた12の法案の立法パッケージである「Fit for 55」を発表した。その中心をなす「炭素国境調整制度」は、欧州に輸入される製品とサービスのうち、EUで生産されたものより炭素排出量が多い製品には「国境炭素税」を課すものだ。鉄鋼・セメント・アルミニウム・肥料・電気を1次対象として2023年から導入され、3年間の転換期間を経て、2026年から本格施行される。EUはまた、内燃機関の車両の二酸化炭素の排出基準を強化し、2035年からはEU市場でガソリンと軽油の車両の販売を事実上禁止することにした。

 米国民主党も14日、3兆5000億ドル(約385兆円)規模のエコ化投資計画を発表し、炭素排出量が多い輸入品に「炭素調整税」を課す案を含めた。EUと米国の動きについてニューヨークタイムズは「気候変動問題に対する対応がすでに貿易政策に向かっていることを示している」と評価した。

 これまで韓国企業は、製造業の比重が高い産業構造などを理由に、政府に温室効果ガス削減のスピードを緩めるよう要求してきた。“安いエネルギー”をさらに長く利用し、費用を節減するためだ。しかし、国境の外では、産業のパラダイムが気候変動問題の解決のための温室効果ガスの排出減少に向け急速に変化している。国際貿易と産業の標準が画期的に変わる新しい産業革命であるわけだ。

 このような変化に積極的に対処できないのであれば、韓国経済の支えである輸出が揺らぎ、企業も将来の競争力を確保できなくなる。政府と関連企業は15日に懇談会を開き、対応案を協議した。企業が受けることになる衝撃を最小化する短期の対策も必要だが、より重要なのは、世界的な流れに能動的に対処する中長期的な戦略の用意だ。政府と企業がいかに対応するのかにより、新たな機会を作りだすこともできる。当面の費用負担を理由にためらい続けていれば、国際社会は私たちを待たず、その分先に進むことになるだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1003883.html韓国語原文入力:2021-07-17 02:32
訳M.S

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