11月に全世界の指導者らは、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)のために、英国グラスゴーに集まるはずだ。極めて重要な時期に開催される会議であり、我々は地球の未来を守るために、決定的な措置を取らなければならないだろう。
気候変動は、我々の地域社会と自然の生息地に破壊的な影響を及ぼしている。昨年の地球は最も熱く、地球の誕生後では過去10年は歴史上最も暑かった。毎年の気候関連の災害は、世界経済に5200億ドルの損失を発生させ、2600万人の人口を貧困に追いこむと推定されている。
残された時間は少なくなっており、地球の気温は今なお上昇している。持続可能な未来を全員に保証するには、我々は地球の温度上昇を1.5度に制限しなければならない。この目標は極めて重要で、科学者らは、1.5度ではなく2度の温度上昇により、数億人の人々がさらに被害を受けると警告している。
我々は、コロナ禍からの回復による経済再建が可能な機会を得ることになる。世界経済の70%はカーボンニュートラルをすでに宣言しており、主要7カ国(G7)は、カーボンニュートラルのための温室効果ガスの減縮目標(NDC)を宣言した。しかし、これでもまだ足りない。今後10年のうちに実質的な行動が必要で、脱炭素経済への転換を加速するために協力しなければならない。すべての国家のカーボンニュートラルに基づくNDCの設定と長期戦略の樹立が、最も重要な点になるはずだ。
我々は1.5度を深刻に受けとめるのであれば、クリーンエネルギーに投資し、2020年代に石炭火力発電をなくすための決定的な措置を取らなければならない。脱石炭国際連盟(PPCA)の共同議長として、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の海外への石炭火力発電投資の中止宣言を歓迎する。先進国と発展途上国のどちらも、より安くきれいな再生エネルギーに投資し、座礁資産の危険がある石炭火力発電をやめることにより、利益を得られる。
かつて石炭は最も安いエネルギー源だったが、世界的に大部分の国家では、再生エネルギーは新規および従来の石炭より安い。
韓国の地方自治体はこのような流れを早く認知している。忠清南道が2018年に初のPPCAの会員になった後、最近は江原道と大邱市(テグシ)を含む三つの道と三つの市が脱石炭を支持する新会員になっており、これは、韓国の石炭発電総量の4分の3が脱石炭を支持していることを示唆している。
脱石炭の流れはアジアにも広がっている。最近、フィリピン、パキスタン、インドネシアは、新規の石炭火力発電所の中止を宣言した。韓国には、2030年までに石炭発電中止あるいはパリ協定の目標を満たす目標の設定を通じて、PPCAに加入してほしい。それにより、アジア地域で初めて石炭から脱する国家というリーダーシップと、それを通じての真正性を示すことができる。
石炭の段階的な解消にだけ専念するとしても、全世界のカーボンニュートラルが達成されるわけではない。 しかし、これは電力部門で我々が可能な最も重要な措置だ。P4Gそして主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、韓国がG7とともに気候変動への対応の必要性を実感したのに続き、主要20カ国・地域(G20)、国連総会、そして第26回当事国総会などの直近の機会を活用し、石炭を過去のものとして葬ることに参加しなければならない。労働者と地域社会が正しい転換を成し遂げられるよう支援し、転換により発生する空白を埋めるためのグリーン雇用の創出に集中しなければならない。
今後10年は極めて重要だ。気候変動への対応の議論は行動に移す必要があり、政府、企業、市民社会は、グリーン産業革命のために協力する必要がある。我々は、未来の世代のために、地域社会、経済、そして資源保護のために、今すぐ行動しなければならず、新型コロナからの回復の道を正しく再建しなければならない。