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[社説]36歳の韓国野党第一党代表、「保守革新・政治変化」を期待する

登録:2021-06-12 08:01 修正:2021-06-12 09:51
韓国政治初の30代の党代表が誕生 
「国民の力」の合理的な保守政党への変身が課題 
政界の世代交代と刷新の起爆剤になれば
「国民の力」のイ・ジュンソク新代表が11日、ソウル汝矣島の党中央本部で行われた全党大会で党旗を振っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 野党第1党の「国民の力」が11日に全党大会を開き、イ・ジュンソク候補を新しい党代表に選出した。韓国憲政史上初めて36歳の若者が有力政党の代表に就任した“一大事件”だといえる。この1カ月あまりの間に韓国社会を揺るがせた「イ・ジュンソク突風」の現実化は、一次的には彼が率いる野党第一党の型破りな変化を予告する合図だといえる。さらに、若い政治リーダーシップの出現が、韓国政治全般に新しい変化の波を作りだしていくことを期待する。

 イ代表は、党員投票と国民世論の調査結果で合わせて43.8%の票を得た。党員投票では37.4%とナ・ギョンウォン候補(40.9%)にリードされたが、世論調査では58.8%の圧倒的な支持を得たことに力づけられ、代表に就いた。世代交代と革新を望む民意の圧倒的な支持と、イ・ジュンソク新代表が20~30代と中道層の支持を引きだし、「国民の力」の次期大統領選での勝利をけん引できると判断した党の戦略的選択が交わった結果だと読みとれる。ただし、党員投票でナ候補に後れをとったことは、今後イ代表が直面する党内の抵抗も侮れないことを予告している。

 これでイ代表には、「国民の力」を合理的で躍動的な新しい保守政党に生まれ変わらせなければならない重大な課題が与えられた。大統領候補の予備選挙を公正に管理し、保守野党の統合を成し遂げることにより、政権交替を熱望する党員と支持層の期待に応じる重大な任務も抱えることになった。イ代表は代表職の受諾演説で「様々な大統領候補およびその支持者と共存できる(ビビンパプ、混ぜご飯のような)党を作る」としながら、「相互間の論理的な批判でも真心が込められた指摘でもない、不必要な悪口や陰謀論、レッテル張りなどの旧態に依存しようとする人たちに対しては、皆さん一人ひとりが立ち向かって欲しい」と述べた。約束したとおり、特定の古い理念と勢力に振り回されない合理的な政党の気風を確立し、キム・ジョンイン前非常対策委員長が始動させた保守政党の正常化の基礎を固めることに渾身の力を振り絞ってほしい。まずは、院内指導部が右往左往した末に国民権益委員会に依頼した国会議員の不動産全数調査問題から、厳正に扱わなければならないだろう。

 反フェミニズムや競争至上主義などイ代表が掲げる一部の価値については、「男女分断」または「保守価値の退行」だという批判が提起されている。開かれた姿勢で自省し、さらに普遍的なビジョンと価値で勝負する姿を示す必要がある。政府と与党との関係も、誤りに対しては激しく批判しても、国民の生活や外交・安全保障などでは、国民と国益を最優先にして生産的な代案を探る協力政治の道を模索してほしい。

 共に民主党をはじめとする他のすべての政党は、世代交代と政党政治の改革を望む国民の熱望を重く受け入れなければならない。古い既得権を廃止し時代の変化に歩調を合わせるために常に努力する政党だけが、民意を得ることができる。「30代党代表」の誕生が政界全体の躍動的な変化と刷新につながることを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/999048.html韓国語原文入力:2021-06-12 02:34
訳M.S

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