「今、私たちが軍部に反対しなければ、私たちの未来は失われるだろう」
ミャンマー軍部のクーデターに反対する「市民不服従運動(CDM)」に参加している大学生のソナインさんは「私と同い年の友人が軍部に抵抗し命を捧げた。私より若い友人たちのために戦う」と強調した。2月1日のクーデターで民主主義政権が倒れてから100日を越えても不服従運動を続けている市民の声を、軍部に解雇されたミャンマー人記者が取材し、ハンギョレに伝えた。
不服従運動に立ちはだかる軍部の暴圧はこのうえなく残酷だ。子供を含む802人の市民が軍の銃弾と暴力の犠牲になり、4000人を超える市民が逮捕された。逮捕された人々は過酷な拷問を受け、国営放送は拷問された青年たちの姿を放映している。市民の勇気を失わせ、不服従運動をあきらめさせようとする「衝撃と恐怖」の蛮行だ。数十年間特権階層として君臨してきた軍部が既得権を守るためにクーデターを起こし、市民を踏みにじっている。
ミャンマー市民も恐ろしくないわけがない。しかし彼らは「血を流して死んでいった仲間を思い」、「軍部を追い出し民主主義を必ず回復しなければならないという一心で」各自の場所で戦っている。街頭のデモだけではない。学校、工場、病院、政府庁舎、列車、銀行など日常のあらゆる場所で、市民はクーデターに立ち向かっている。鉄道庁の公務員たちは列車を止め、大学の教職員2万4000人の40%にあたる1万1100人が不服従運動への参加により停職となった。国連大使から軍人、世界ミスコンテストに参加した大学生までが民主主義政権を願い、全力を尽くしている。軍部も予想できなかった巨大な不服縦運動の勢いのある波が、軍部に大きな打撃を与えている。
しかし、現実の重さは手に余る。軍部の脅迫を受ける市民のなかには、仕事に復帰する人もいる。4月に結成された国民統一政府(NUG)は、連邦民主主義憲章を発表し少数民族の武装団体と連帯した軍隊を創設したが、ビルマ族から差別と弾圧を受けてきた少数民族の積極的な参加をまだ引き出せずにいる。
ミャンマー市民の切実な叫びに応じられない国連安全保障理事会の無気力は、国際機構の役割に対する懐疑を呼び起こしている。4月のASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議は、クーデターの主役であるミャンマー軍のミン・アウン・フライン最高司令官を呼び、「即時暴力中止」の誓いをさせた。しかし、約束はすぐ紙切れに変わり、軍部に免罪符だけを与えた格好になった。中国は、国境を接するミャンマーで自国の安全保障と経済的な影響力を維持することを優先し、安全保障理事会の役割を妨げている。ミャンマー軍部は中国を保護膜として、市民がこれ以上耐えられなくなり降伏する瞬間を待っている。
ミャンマー市民には、今日のミャンマーから1980年5月の光州(クァンジュ)を思い出され自分のことのように心を尽くし連帯しようとする韓国市民の努力が、大きな力になっているという。ミャンマー市民は、光州市民と韓国国民がそうであったように、民主主義を成し遂げる日が来るまで決してあきらめないという。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5・18民主化運動41周年を迎えた18日、「私たちは今日のミャンマーに昨日の光州を見る」とし、5月の光州がミャンマーの希望になることを祈った。
今のミャンマー市民には、国際社会の積極的な連帯と実質的な助けが切実だ。国連安保理が役目を果たせないのであれば、より多くの国々がミャンマーへの武器輸出を中止し、ミャンマー軍部所有の大企業との合弁を取りやめなければならない。ミャンマー国営会社に毎年数千億ウォンの配当金を支給してきたポスコ・インターナショナルとミャンマーのガス田事業を行ってきた韓国ガス公社も、軍部の資金源にならないよう、明確な措置を取らなければならない。