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[社説]水曜デモ、「初心」を忘れず前進を

登録:2020-05-14 05:06 修正:2020-05-14 07:58
1992年1月8日、ソウルの日本大使館前で最初の水曜デモが行われている=正義記憶連帯のホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本軍慰安婦問題解決を要求する1439回目の水曜デモが13日、重い雰囲気の中で行われた。慰安婦被害者のイ・ヨンスさんの先週の記者会見以後、保守マスコミと政界が、慰安婦被害者人権運動団体である正義記憶連帯(正義連)の会計報告の不良、共に市民党のユン・ミヒャン当選者の娘の学費問題などを取り上げて議論を膨らませている中で、初めて行われた水曜デモだ。

 1992年1月8日、日本の宮沢喜一首相の訪韓を控えて、日本政府の慰安婦戦争犯罪の責任認定と公式謝罪、真相究明を要求して始まったデモは、過去28年間、雨風の中でも止まらずに続いてきた。その歳月の間、政府に登録された日本軍慰安婦被害者238人のうち220人が世を去った。韓日両国の右翼は今も慰安婦被害者を攻撃して侮辱している。

 しかし、その歳月は無駄ではなかった。水曜デモの現場では、被害者や活動家、学生を始めとする各界各層の市民が出会い、忘れられた真実を広く知らしめるのに力を加えた。被害者であるハルモニ(おばあさん)は、平和人権活動家としてすっくと立ち、学生と青年・市民は歴史を学んだ。国境を越えて全世界の市民が訪ね、二度と戦場で性暴力があってはならないと確かめる連帯の場となった。水曜デモは世界的に類例を探すのが難しい人権と平和運動の歴史を書き連ねてきた。

正義記憶連帯の主催で13日、ソウル鍾路区の旧日本大使館前で第1439回水曜デモが行われている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 この日のデモでも市民たちはその意味を振り返り、「初心」を強調した。大学生のイ・テヒさんは「5年間私はこの場所で、キム・ボクトンさん、キル・ウォノクさん、イ・ヨンスさんなどの声を通じて、平和と人権とは何かを学び、連帯とは何かを学んだ」と語った。ボランティア活動家のイ・パンスさんも「小さな不和が28年間共に作ってきた私たちの平和共同体に大きな傷をつけたが、誰も責めずに何としても始めに戻ろう」と訴えた。Youtubeの生中継でデモを見守った市民たちは「ハルモニと共にした30年の歳月は記事数行で評価されません」「岩のように守ろう水曜デモ」などのコメントで応援した。

 イ・ヨンスさんはこの日、声明文を通じて「韓日学生間の交流と共同行動が広がることを期待し、30年間の闘争過程での誤りや過ちは乗り越えなければならない」と語ったのも同じ意味であろうと信じる。議論に揺れることなく、水曜デモが日本軍慰安婦問題の解決のための連帯と平和と人権の現場という「初心」を思い起こさせ、再び前進していくことを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/944822.html韓国語原文入力:2020-05-14 02:39
訳M.S

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