5月に即位した徳仁天皇が22日、世界180カ国余りの代表が参加するなか、新しい天皇の即位を内外に知らせる儀式を挙行した。即位式には李洛淵(イ・ナギョン)首相も韓国政府を代表して参加した。韓日関係改善と北東アジアの平和・協力の増進の転換点になることを期待する。
即位式が関心を集めるのは、日本が天皇制を前面に出してアジアを侵略した歴史に対する記憶が未だにありありと残っているためだ。徳仁天皇は式典で「世界平和」と「憲法遵守」を言明した。新しい天皇のこのような発言は、日本の安倍首相が平和憲法を変えて日本を戦争のできる国にするのに力を注いでいるため特に注目されている。徳仁天皇は過去にも何度も平和憲法を守って戦争の惨禍を記憶しなければならないという立場を明らかにしてきたが、世界の祝賀使節が集まった席で再び「平和」と「憲法」を取り上げて論じたことは少なからず意味が大きい。
しかし、天皇はあくまでも象徴的存在に過ぎない。さらに重要なのは国政を実質的に担っている安倍首相の態度だ。安倍首相は天皇の即位式の公式発言で本音を表しはしなかった。だが、安倍首相が過去の軍国主義時代の栄光を取り戻すという意志をあきらめないならば、アジア各国の反発と憂慮は続くしかない。安倍首相は天皇の発言に含まれた平和の願いをしっかり推し量ることを望む。
我々に今重要なのは、韓日関係の改善の突破口を見出すことだ。韓日の間には昨年の強制徴用賠償判決以降、日本の輸出規制措置、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了決定などの悪材料が山積みになっている。李首相と安倍首相の会談は24日に予定されている。その席で文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書も伝えられるものと見られる。両国の最高指導者の話し合いが、韓日のあつれきが解かれる契機になることを期待する。