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22日に即位式…日本の市民団体「安倍首相、憲法改正に利用する恐れも」

登録:2019-10-21 03:54 修正:2019-10-21 07:36
6カ月間続く即位の儀式の中心 
「皇室の行事に多大な国家予算使われる」との指摘にも 

安倍首相「歴代政府の方針を維持」 
保守化で天皇制に対する批判の姿消す
5月1日、皇居で徳仁新天皇(中央)が即位後初めて発言している=資料写真//ハンギョレ新聞社

 1990年以降29年ぶりに行われる天皇即位式(即位の礼)を3日後に控えた19日、東京千代田区の皇居でリハーサルが行われた。徳仁新天皇(第126代)と雅子皇后、安倍晋三首相の代役が参加した同リハーサルでは、天皇と皇后が座る玉座で、背もたれが6.5メートルの「高御座」と5.3メートルの「御帳台」が公開された。22日午後開かれる即位式で、天皇は黄色服の「黄櫨染御袍」に身を包み、皇居内部の「松の間」に入る。侍従が皇室の宝物である「三種の神器」のうち、草薙剣と八尺瓊勾玉を持って一緒に入る。天皇は高御座に登って即位宣明を述べる。これより低い位置に立っている安倍首相は、お祝いの言葉を述べ、他の参加者たちと万歳を三唱する。

 「即位礼正殿の儀」と呼ばれる即位式は、今年5月1日に即位した徳仁天皇の即位を内外に宣言する儀式だ。日本政府は、即位式への招待状を日本が国と認める約190カ国に一斉に送った。これを受け、李洛淵(イ・ナギョン)首相や王岐山中国国家副主席、チャールズ英皇太子ら、世界の要人が日本を訪問する。徳仁天皇の即位関連儀式は即位直後の5月から6カ月間続いてきたが、即位式はそのハイライトに当たる儀式だ。即位関連儀式は11月10日に台風19号の被害で延期されたパレード(祝賀御列の儀)が開かれ、14~15日には新天皇が日本の皇室の先祖「天照大御神」に新穀を奉る「大嘗祭」が続く。

 即位関連の儀式は、日本の伝統宗教である「神道」的要素が多い。特に、大嘗祭は宗教色が強いため、国の行事ではなく皇室の行事であり、皇室の費用で行なうべきだという意見が以前から多かった。徳仁天皇の弟である秋篠宮文仁親王が昨年、「大嘗祭は国家予算ではなく、(天皇家の生活費などに充てられるお手元金の)内廷会計で行うべきだ」と主張し、波紋が広がった。しかし安倍政府は、大嘗祭が国事行為ではないものの、国家予算を活用するという歴代政府の方針をそのまま維持することを決めた。日本共産党は一連の即位関連儀式そのものが憲法上、政教分離の原則に反するとして、即位式への出席を拒否する方針を明らかにした。

 しかし、共産党のように即位式に対して拒否感を示す人々は、現在の日本社会で少数にとどまっている。1990年の天皇即位式の時とはまったく異なるムードだ。当時は「反天皇制」を掲げた団体が、王室関連施設を迫撃弾で攻撃し、神社に火をつけるなど、143件のゲリラ攻撃を繰り広げた。東京新宿警察庁独身寮で時限爆弾が爆発し、警察1人が死亡し、8人が負傷した事件もあった。

 「天皇制」を真っ向から批判する声が、日本国内でほとんど聞こえなくなったのは、戦後74年が経って日本社会が保守化した影響が大きい。明仁天皇時代に天皇は統治者ではなく国家の象徴という「象徴天皇制」が定着した影響もある。最初の「象徴天皇」は裕仁(昭和天皇)だったが、「象徴天皇」を定着させたのは現行の日本の平和憲法に強い愛着を表した明仁天皇(現上皇)である。

 安倍政府は、今回の明仁天皇の生前退位と徳仁天皇の即位を政権の保守性向を強調する材料として活用している。徳仁天皇時代の新しい年号を、中国古典ではなく、日本古典の「万葉集」から取った「令和」にし、日本的アイデンティティーを強調した。日本の市民団体は、安倍首相が今回の天皇即位式と2020年の東京五輪によるお祭りムードを「長年の悲願」だった平和憲法の改正に向けた環境づくりに活用しかねないと懸念している。

東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/913899.html韓国語原文入力:2019-10-20 22:28
訳H.J

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