京畿道安山市の教育支援庁の地に建てられる「416民主市民教育院」の造成事業が宙に浮いている。来年4月に完成予定なのにいまだ着工すらできず、事業は最低1年以上遅れるという。同市が教育支援庁が移ることにした市有地を「安価で売ることはできない」として売りに出さないからだと言うからあきれ返る。
問題の土地は体育施設の用地だが、教育支援庁を作るために用途変更をすれば、地価は昨年同市と京畿道教育庁が合意した70億ウォンから200億ウォンに跳ね上がるという。市有地を適正価格で売るのも事業の性格を見てするべきだ。同教育院は檀園高校のセウォル号惨事の犠牲者261人を想って安全教育と民主市民教育をするための空間だ。
京畿道教育庁、教育部、国務調整室まで加わって文書で合意した内容を、手の平をひっくり返すようにするのは責任ある地方自治体としてすべき事でない。自分たちが用途変更をしてその相場の差額まで得ようとするならば、安山市は悪徳不動産屋と変わらないではないかと問わざるをえない。セウォル号の惨事は生命と安全を度外視した異常な利潤追求が主因だということを忘れずにいなければならないはずだ。
同教育院は当初、同校の近くに作ろうとしたが、地域住民の反対で見送りになっている。今回は市議会と地元の国会議員の一部が安山市をあおっているという話も伝わってくる。地域社会がセウォル号の家族と共に暮らし、犠牲になった生徒と教師たちを記憶できるようにする責任が安山市にあることを肝に銘じるよう望む。