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[社説]非核化促すため「対北朝鮮制裁の緩和」を積極的に検討すべき

登録:2018-10-18 06:14 修正:2018-10-18 08:31
文在寅大統領が17日(現地時間)、バチカン市国のサン・ピエトロ聖堂で「朝鮮半島平和のための特別ミサ」を終えた後、ピエトロ・パロリン国務長官と歓談している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ローマ法王庁を訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「朝鮮半島で終戦宣言と平和協定の締結は、地球上の最後の冷戦体制を解体すること」だとし、「必ず分断を克服する」と述べた。文大統領は法王庁が主催した「朝鮮半島平和のための特別ミサ」後の記念演説で、南北が平壌共同宣言を採択した事実を想起させ、「核兵器のない平和の朝鮮半島」を作ると誓った。法王庁という象徴性の高い場所で、朝鮮半島の非核化と平和構築の意志を強調したものと言える。

 文大統領の欧州歴訪で特に注目すべきなのは、「対北朝鮮制裁の緩和」に言及したことだ。文大統領はフランスのエマニュエル・マクロン大統領との首脳会談で「北朝鮮の非核化措置が後戻りできない状態にまで至ったと判断された場合は、国連制裁の緩和を通じて北朝鮮の非核化をさらに促進しなければならない」とし、フランスに国連安保理常任理事国として先導的な役割を果たすことを要請した。これに先立ち、英国のBBCとの会見でも「制裁の緩和」問題を取り上げた。制裁の緩和が非核化促進要素という点を国際社会に理解させる上で、肯定的に寄与するものと予想される。このような努力が、北朝鮮が非核化措置にもっと積極的に乗り出せるよう促す友好的な環境作りにつながるという点でも評価できる。

法王庁出版局が発行した「朝鮮半島平和のためのミサ」経本//ハンギョレ新聞社

 文大統領の動きについて、米国内部で「先走りすぎる」という警戒の声が上がっているのは事実だ。17日、ハリー・ハリス駐韓米国大使が「南北対話は非核化とつながらなければならず、韓米の声が一致しなければならない」と強調したことからも、このような警戒心がうかがえる。しかし、米国の世論や行政府の一部の見解に埋没されると、「非核化完了後の制裁解除」という図式に皆が吸い込まれる過ちにつながりかねない。それでは、非核化が促進されるどころか、むしろ障害物にぶつかる可能性が高い。

 そのような点で、チョ・ユンジェ駐米大使が16日(現地時間)、ワシントンで行った発言は注目に値する。チョ大使は「南北関係先走り論」について、「南北関係の発展は非核化の過程と共に進むべきであり、国際制裁を忠実に履行しなければならないというのが政府の立場だ」と述べた。その一方で「南北関係が朝米交渉より少し先を行くのが、朝米交渉にも役立つ」と強調した。今年行われた南北首脳会談と朝米交渉の過程を振り返れば、チョ大使の発言が現実的だと言える。

 予告された2回目の朝米首脳会談の日時と場所が確定していない状況で、北朝鮮は「非核化に見合う制裁緩和」を多方面で要求している。交渉とは相手の善意を肯定することから出発するだけに、文大統領の「制裁緩和」発言はこのような流れを踏まえた発言といえる。政府は、米国と事案ごとに緊密に協力する一方、朝鮮半島の運転者として北朝鮮の非核化促進に役立つ案を半歩リードして提示し、関連国を説得する努力を止めてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/866296.html韓国語原文入力:2018-10-18 05:01
訳H.J

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