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[社説]「韓国並みの繁栄」で注目される北の非核化の青写真

登録:2018-05-13 20:40 修正:2018-05-16 21:41
北朝鮮の金正恩国務委員長が訪朝したマイク・ポンペオ国務長官と面会し、ドナルド・トランプ米大統領の口頭メッセージを聞いて、朝米首脳会談と関連して「満足できる合意」をしたと、労働新聞が10日付で報道した/聯合ニュース

 米国のポンペオ国務長官が11日「北朝鮮が非核化のための果敢な措置を素早く取れば米国は北朝鮮が韓国並みの繁栄を達成するように協力する準備ができている」と述べた。北朝鮮の迅速で果敢な非核化の措置を条件に米国は大幅の経済支援をできるという意思を明確にしたのだ。北朝鮮はこれにうなずき返すように、23~25日に外国言論を招いて豊渓里(プンゲリ)の核実験場を爆破する行事を行うと12日に明らかにした。6月の朝米首脳会談を控えて両国が肯定的な信号をやりとりすることによって会談の展望を一層明らかにする局面だ。

 北朝鮮が素早く非核化した場合、韓国並みの繁栄を約束したポンペオ氏の言及は非核化の全過程を貫くいわゆる「北朝鮮非核化の青写真」というに値する。北朝鮮に要求した「非核化のための素早い果敢な措置」は従来とは違った措置を意味すると見られる。迅速な非核化を強調することによって北朝鮮と米国は速戦即決式の一括妥結プロセスを進めるのではないかという観測を呼んでいる。場合によっては非核化は相当早められる。その方法も前後を問わず、同時になされたりするはずだ。もちろんその際には過去よりはるかに強力な検証がされる見込みだ。非核化を細かく分けて補償する過去のやり方の盲点を克服することによって成功の展望を一層高めるものと評価されている。

 ポンペオ氏の発言が8日の2度目の平壌(ピョンヤン)訪問で金正恩(キムジョンウン)国務委員長にまた会ってからなされたといった点から、北朝鮮ともある程度の調整を経ていると見ることができる。ポンペオ氏は「キム・ジョンウン委員長が正しい道を選択したら北朝鮮には平和と繁栄いっぱいの未来があるだろう」と話した。北朝鮮が迅速で果敢に非核化をすればそれに相応して制裁解除、体制の安全保障はもちろん大幅な経済支援まで提供する包括的なプロセスを両国が描いていると見られる。

 北朝鮮が韓国並みにまで繁栄することは、非核化のロードマップ、さらには南北関係を成すにあたって大きな目標の一つといえる。北の正常国家化を通じた繁栄は北朝鮮住民だけでなく韓国をはじめとする北東アジアの国々の利害と一致する。今のように北朝鮮が問題国家として存在する限り韓国の未来も、北東アジアの未来も不安定なはずだ。北の正常国家化とこれを通じた経済発展のためにすべての関連当事国が努力しなければならない。

 北朝鮮が豊渓里の核実験場閉鎖の日程を表明したことは板門店(パンムンジョム)宣言で合意した「完全な非核化」の第一歩を踏み出したという点で歓迎に値する。南北首脳合意を話だけでなく行動で見せることで、北朝鮮は最低、「未来の核」は開発しないという意志の表れと読める。一部では過去の寧辺(ヨンビョン)冷却塔の爆破のようなパフォーマンスではないかという指摘もあるが、一連の非核化の過程の始まりという点で意義は小さくない。

 北朝鮮と米国の首脳会談を約一カ月後に控えて北の核問題は過去とは異なる様相に展開している。韓国や北朝鮮、米国が前向きで果敢な措置を相次いで行うことによって成功の可能性を過去になく高めている。このような時であるほど南・北・米を含んだ関連当事国は倍旧の努力を傾けるべきだ。過去の失敗を繰り返さないように創造的で果敢な措置を調整し、実践することによって北東アジアの共同の平和と繁栄を必ず達成せねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2018/05/13 17:56

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/844394.html 訳T.W

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