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[社説]北の破格な対話提案、次は米国が答える番だ

登録:2018-03-07 22:47 修正:2018-03-08 07:37
晩餐が終わった後、北側が用意した車両に搭乗した特使団を見送る場面。左から金英哲労働党中央委員会副委員長兼統一戦線部長、金与正党中央委第1副部長、金正恩党委員長、金正恩氏の夫人である李雪主氏。聯合ニュース

 北朝鮮が対北朝鮮特使団に明らかにした「非核化意志」は破格と言える程に予想を越えたものだった。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長は、特使団の前で自ら「非核化は先代の遺訓であり、先代の遺訓は変わらない」と明らかにし、対話の相手として真剣な待遇を受けたいという所感まで明らかにした。非核化イシューを対話の前提条件として持ち出した米国としては、北朝鮮のこうした提案を受け入れない理由がない。さらに北朝鮮は、対話が続いている間は追加の核・ミサイル試験をしないとも約束した。事実上、核開発プログラムの暫定中断に入ったと言える。次は米国が北朝鮮の意志に真剣で積極的に答える番だ。

 特使団は8日、ドナルド・トランプ米大統領に訪朝結果を説明するため、米国を訪問する。これに先立ってチョン・ウィヨン大統領府安保室長は「米国に伝える北朝鮮の立場を別に持っている」と明らかにした。金正恩委員長の特別メッセージの内容が何かは明らかにされなかったが、これまでに明らかにしたことからさらに一歩踏み出した提案が込められていると推測できる。追加のメッセージがあるという事実からも、北朝鮮が朝米対話にかける期待が確認できる。

 しかし、特使団が訪朝結果を発表した後にも、北朝鮮のメディアが金正恩委員長の「非核化言及」については報道しないことを見れば、非核化問題が北朝鮮としては大きな負担であることを傍証する。こうした事実は、逆に言えば今回の南北合意に対する北朝鮮政権の意志がそれだけ強いということを示している。同時に、米国との対話が失敗すれば再び核対決に戻る可能性が高いということをも意味する。トランプ行政府が北朝鮮の提案を逃してはならない所以だ。

 米国の反応がひとまず肯定的であることは幸いだ。トランプ大統領は特使団の帰還発表が出た後、「北朝鮮は真剣だと考える」として期待感を示した。しかし、トランプ行政府内部の混線がきれいに整理されていない点は一抹の心配として残っている。マイク・ペンス副大統領は、特使団の発表の後、対北朝鮮声明を出し「北朝鮮に最大の圧力を加えることに専念しており、今もすべてのオプションがテーブル上にある」として食い違うような話をした。こうした不一致が今後の朝米対話に障害物として作用する可能性は依然として残っている。不確実性が除去されていない状態でワシントンを訪問する特使団の任務は、いつにもまして重大だ。韓国政府は米国が対話のテーブルに出てくるよう説得することにすべての外交力量を動員しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/835063.html韓国語原文入力:2018-03-07 19:30
訳J.S

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