国防部は先日、少子化にともなう兵役志願減少に備え、理工系の兵役特例者の転換・代替服務要員制度を廃止する方針を進めると発表して物議をかもすと、「確定した方針ではない」とトーンダウンさせた。代わりに徴兵検査の兵役判定比率を引き上げるように身体検査基準を緩和し、女性兵士を増やして、戦闘勤務支援業務を民間にアウトソーシングするなどの方針を表わしている。
現役兵判定基準を調節する国防部の弥縫策(びほうさく)は最近始まったことではない。国防部は2008年に現役判定審査基準を緩和して服役待機者が増え、入営の遅れが深刻化されると、昨年10月に兵役判定基準を厳格に強化した。そして再び兵役判定基準を低くするカードを使おうとしているのだ。女性兵士の増員や民間アウトソーシングも過去に出された対策の二番、三番煎じに過ぎない。
明日のことも見通せない国防部のお粗末な兵役志願管理対策は、「参与政権」時代に設けた「国防計画2020」を李明博政権になって廃棄した際に、すでに見通されていた。現代戦の性格に見合った軍の構造改革、常備兵力規模の段階的縮小、専門兵役中心の人材再編など、現代的な軍隊のスリム化は無視したまま千鳥足で進んでいる。さらには中長期の兵役志願創造などにおいて、国防部と兵務庁の間に食い違いが生じて、それぞれが違った数値をあげているのが実情だ。こうした状況であるため、国防部が他の部署とまともに協議もせずに転換・代替服務制度の廃止方針を立て、右往左往するのは当然のことである。
持続的な人口減少による兵力不足現象は、国家安保のために解決すべき重要な問題であることは明らかだ。しかし国防部が今のようにどんぶり勘定な弥縫策に汲々としていては、解決法は導き出されない。もう少し長い視点でわが韓国軍の構造を再編する根本的な対策準備に乗り出さねばならない時だ。
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韓国語原文入力:2016/05/22 19:33