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[社説]国の恥「産経記者の起訴」は大統領が収拾せよ

登録:2014-10-12 09:42 修正:2014-10-13 14:19

 セウォル号事故当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の行動に関する記事を書いた日本の『産経新聞』の加藤達也前ソウル支局長が8日、情報通信網法の名誉毀損疑惑で起訴されて以来、国内外の非難と反発が強まっている。民主主義の基本価値である報道機関と表現の自由を狭めたのだから批判されるのは当然だ。

 今回のことはすでに国際的話題になっている。日本政府は遺憾で強い憂慮を公式に明らかにした。米国も「表現の自由に対する広範囲な支持」と「韓国の関連法に対する憂慮」を再確認するとし、今回の事態に注目して韓国政府と接触したとほのめかした。日本を始め海外の主なマスコミも韓国の言論の自由に強く疑問を提している。維新時代(1970年代)や軍事政権のころに韓国を見る視線はまさにこうだった。朴槿恵政権の時代的錯誤による世論統制の試みが韓国の国家イメージを30~40年前におとしめたのだ。

 このことによる外交的な損失も少なくない。今回のことで日本は韓国を攻撃するいい材料を得ることになった。従軍慰安婦問題など韓日関係の課題は片隅に押しやられることになったし、米国などの国際社会の支持を得るにも日本が優位に立つ可能性が強まった。日本はこの機会に韓日関係が冷え切っている責任を韓国のせいにしようとするだろう。政府がこのような結果も念頭に置いていたのかと問わざるをえない。

 産経新聞の記者の起訴は、法理や判例、国際的なすう勢にも反している。国連をはじめとする多くの国際機構が名誉毀損の刑事処罰制度を廃止するように勧告し、廃止する国も増えている。最高裁も、国家機関や公職者の業務に関する疑惑の指摘は名誉毀損に当らないと表明している。政策の決定や業務の実行に関しては国民の監視や批判としてさらすべきという理由からだ。公的な関心事に対する報道では言論の自由に対する制限を緩和すべきという判例もある。

 産経記事が事実確認もきちんとしなかった不十分なセンセーショナルな報道であったのは明らかだが、記事が問題にした大統領の“消えた7時間”は公的業務遂行についての問題提起であり得る。職業倫理についての批判はさておき、刑事処罰の対象になる根拠はないものだ。それにも関わらず検察は大統領の冒とく云々の発言がなされるやすぐに捜査に着手し、起訴まで押し切った。

 今回のことが政治的起訴だという批判がされるのはこのような事情からだ。その結果が現在の国際的な恥辱である。名誉毀損は被害者が望まない限り処罰されない罪だ。朴大統領は国家の恥になるばかりの今回の件はそろそろ収拾すべきだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/10/10 20:26 

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/659284.html 訳T.W(1177字)

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