セウォル号が沈没して22日で1週間目だ。苦痛の毎日だった。しかし新聞の1面に掲載される被害現況表の‘救助174人’は全く変わらない。行方不明者の数字が減り、死亡者に移っているだけだ。22日朝には幼い女子生徒の遺体5人が新たに引き上げられて死亡者はついに100人を越えてしまった。まだ咲いてもいない花が、このうららかな春の中で痛ましく折れ、我々の前に横たえられているのだ。
珍島のぺンモク港は号泣の海だ。誰か分からない遺体が引き上げられるたびに親御さんたちの目は不安感に震える。遺体は白い布に包まれていて見えないが、腐敗防止用の消毒薬の臭いで子供の死を直感する。冷たくなってしまった子供の顔を確認して溢れでる悲鳴、こらえきれない泣き声がしくしくと続く珍島の海は震えている。特にセウォル号の船室で発見された子供たちの相当数は、指が骨折したり手の平に青くアザができていたという。閉じ込められた船内から逃げ出そうとどれほど壁に爪をたてたかと思うと、息がつまる思いがする。
彼らを救えなかった申し訳なさとみじめさで胸がいっぱいになる。大人たちの欲と卑怯な心が子供たちを冷たい海に押し込めてしまった。中古船の輸入、無謀な改造、荷物の過積載、未熟な操縦、無責任な船長、無能な政府、等々大人たちの誤りは100種類をも越える。そのうち一つだけでもきちんとしていたら、子供たちをこんな有り様にはしなかったろう。
だから地上にいる大人たちは誓おう。再びこのような生き方はしないと。規則など軽んじ、てっとり早く金になることなら何でも追い求める生き方はもうやめると。だから、その寒く暗い場所から奇蹟のように生還してほしいと祈る。
22日から4日間、珍島近海は潮流が特に弱くなる時期に入るという。干満の差が顕著に減って流速も半分に落ちる。一週間もたって海が静かになるのは不運の極みだが、失踪者の捜索作業のスピードを上げられるのだから、一縷の望みをかけよう。奇跡は歴史上起きてきたし今後も起きるのだから、今起きないと言えまい。救助作業を行っている軍と警察が渾身の力を発揮することを信じよう。