ウクライナ戦争で無人機(ドローン)が広範に用いられていることで現代戦の版図が変化してきている中、米軍も台湾有事の際に中国軍に対抗して無人機を用いた電子戦を繰り広げるための大規模訓練をおこなった。
今月12日のウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、米軍は先月、ハワイ一帯で、無人機とそれに関連する最新装備を導入し、2週間にわたり大規模な訓練をおこなった。同訓練は台湾、マレーシア、フランスなどから8千人あまりの兵力が参加する中、「統合太平洋多国籍即応センター」で行われた。同訓練センターは2022年に設立された。
訓練は、米国の同盟国の領土の島が敵軍に占領され、それから数週間後に米軍が参戦することを仮定したもの。直接的に明らかにしてはいないものの、中国が台湾に侵攻する状況を仮定した訓練だ。実際に中国が台湾に侵攻し、米軍が介入すれば、両軍は沖縄から台湾、フィリピン、マラッカ海峡を結ぶ「第1列島線」で攻防を繰り広げる可能性が高い。米軍は、太平洋の多くの島に散らばった状態で、激しい制空権確保争いと限定的な補給支援の中で、かろうじて戦闘を繰り広げることになることを仮定して訓練に臨んだ。
今回の訓練は、米軍と敵軍の兵力がいずれも最新の無人機戦術を全面的に導入した状態を仮定して行われた。兵士たちには、数機が一体となって動く最新の群集型無人機から3Dプリンターで製作された低価格の手作りの自爆ドローンに至るまで様々な無人機が配給され、それらが使用された。訓練に参加した米陸軍のジョサイア・ホイット上等兵は「無人機を1機受け取ってそれで訓練し、また新しい無人機を受け取って訓練する」と語った。
兵士たちには、無人機に対抗する装備も支給された。スマートフォンほどの大きさのものの一つは無人機を感知する。もう一つは電磁波を放って電波を妨害し、無人機をかく乱する。一部の兵士の小銃には、飛行中の無人機に自動的に照準を合わせて弾を発射する「スマートシューター」装置が装着されていた。タン・ホ曹長は「ロシアとウクライナとの間に戦争が起きてから、みんな一人称視点無人機(FPV)の話ばかりしている」として、「我々は若干遅れている。早く追いつかなければならない」と述べた。
その他の装備も機動性を上げるために小型化されている。無人機による監視を避けるため、指揮所も数台のトラックに縮小されており、車両には偽装幕がかぶせられていた。兵士たちは、映画「マッドマックス」に出てくるような軽くて機動性に優れたバギーカーに乗って基地のあちこちを移動。新型のボートと大砲は、いずれも小さくて機動性に優れたモデルに交換されていた。
インド太平洋を担当する米陸軍第25歩兵師団の司令官を務めるジェームズ・バサラミス少将は、「ウクライナで繰り広げられている(無人機と兵士との)状況は、まるでネコとネズミの戦いのようだ。我々も見守りながら学んでいる」として、「兵士たちは無人機を用いて戦ったり、無人機に対抗して戦ったりする電子戦に合わせて準備しなければならない」と語った。