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中国、景気低迷で「国産優先」の動き…中国市場に進出の外国ブランド「二重苦」

登録:2023-06-20 08:14 修正:2023-06-20 09:24
18日の中国北京の繁華街の様子/AP・聯合ニュース

 中国市場に進出した西欧の消費財ブランドが、なかなか回復しない中国の景気に加え、消費者の「国産愛用」の動きのため、二重苦に陥っているという報道が出た。

 「ウォール・ストリート・ジャーナル」は18日(現地時間)、ほんの5年前までは中国の消費財市場は外国製品ばかりだったが、今では中国製品の品質が向上し、ますます外国製品に取って代わっていると報じた。コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの上海支社のパートナーであるジェームズ・ヤン氏は「もはや、単に(外国産)ブランドを持ち込んで店を開くだけでは十分ではない」として、「利益を上げるためには、さらに努力しなければならない」と述べた。

 中国の消費財市場は、今でも米国に続き世界で2番目に大きく、2026年にはその規模は5兆4000億ドルにまで増えると予想されている。外国ブランドにとっては逃すことのできない非常に大きな市場だ。

 だが、中国の消費者たちは、中国経済が厳しくなるにつれよりいっそう商品の値段に敏感になり、中国製品が以前とは違って外国製品に後れを取らないという認識が強まった。加えて、民族的自尊心と愛国心によって高まった「国産品愛用」現象が強まり、中国製品の勢いが目立っている。

 中国の化粧品「パーフェクトダイアリー」(完美日記)と「フローラシス」(花西子)は、2021年現在の中国のポイントメイク化粧品市場の合算シェアを15%に引き上げた。6年前までは両社のシェアはほぼ0に近かった。広告代理店に勤務する北京のある女性は、米国や欧州の化粧品ブランドを利用していたが、パーフェクトダイアリーに乗り換えたとして、「消費者の多くが以前より価格により敏感になった」と述べた。「パーフェクトダイアリー」の12色アイシャドウパレットは15ドルで、フランスの化粧品「ロレアル」の6色アイシャドウパレット(23ドル)に比べはるかに安い。ロレアルの化粧品は、現時点では中国市場で1位を保っているが、徐々にシェアを中国製品に奪われている。

 中国市場における中国製の躍進は、特に自国の文化と遺産により多くの誇りを感じ、新ブランドにオープンな若い消費者が主導している。「国産優先」は共産党と国家のレベルでも進められている。3月の中国共産党大会の期間中には、数人の代議員が国産愛用を訴えたりもした。

 中国のこうした愛国消費のブームは、「国潮」という中国語に凝縮されている。「国潮」は、中国の体操の国家代表出身の李寧氏が、2018年にニューヨークのファッションショーで自国を象徴する赤と金色のデザインのコレクションを公開してから、本格的に勢いを増している。李寧氏は1984年の五輪などで金メダルを取った後、自身の名前を取ったスポーツブランド「リーニン」(李寧)を創業した人物だ。中国南部の深センに住むある30代女性は「10年ほど前までは品質に優れたナイキの靴やロレアルの化粧品を好んで求めていたが、今はリーニンのスポーツウェアなどの国産品も品質は外国製に劣らない」と述べた。

 リーニンやその国産ライバル「アンタスポーツ」(安踏体育用品)は、シェアを2020年の19%から2024年には22%に引き上げると見込まれている。アンタスポーツは2021年の時点でドイツのブランドのアディダスを抜き、シェア2位に浮上した。

 歯磨き粉のような商品でも、中国製は上昇の勢いが激しい。雲南白薬グループは、中国市場で高麗人参や薬草の成分の歯磨き粉を押し出し、米国のP&Gより多く販売した。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/1096608.html韓国語原文入力:2023-06-19 22:25
訳M.S

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