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習近平主席、新たな安全保障構想を具体化…米国主導の国際秩序に対抗

登録:2023-02-23 06:35 修正:2023-02-23 08:36
「グローバル安全保障イニシアチブ」の内容を発表
中国の秦剛外相が21日、北京の外務省で「グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)」に関する文書を発表している=北京/ロイター・聯合ニュース

 中国が米国主導の国際秩序に対抗する新たなグローバル安全保障秩序を示す「グローバル安全保障イニシアチブ」(GSI)の内容を発表した。3期目を迎えた習近平国家主席が、対外安全保障と関連した具体的な行動に乗り出したものとみられる。

 中国共産党機関紙「人民日報」などは21日、中国外務省がGSIに関する文書を発表し、これを説明するフォーラムを開いたと報じた。GSIは昨年4月、中国海南省で開かれたボアオ・アジア・フォーラム(BOAO)で、習主席が初めて公開した安全保障の概念で、国際安全保障に関する中国の構想を具体化し体系化したものだ。このフォーラムには、世界各国と国際機関など137カ所の大使と外交官、代表らが出席した。

 この日文書を説明した中国の秦剛外相は「世界が必要とする安全保障概念とは何か、世界の国々が共同安全保障を達成する方法は何かが、今の時代の主な関心事となっている」とし、「同文書は、対立が起きている地域と世界の問題を効果的に解決するための青写真を提供するだろう」と述べた。また「中国の発展は安全な国際環境と不可分の関係にあり、中国の安全なしには世界の安全もない」と主張した。

 秦外相はさらに「現在80以上の国と地域でGSIを歓迎し支持している」としたうえで、「我々はGSIに加入し世界平和と発展を支援するすべての国を歓迎する」と述べた。実際、昨年12月に開かれた中国とアラブ諸国の首脳会議で、アラブ諸国の首脳は中国のGSIを支持する意向を示した。

 文書にはグローバル安全保障に関する6つの原則と20の具体的な協力方針が含まれている。事実上、中国が国際安全保障に関してこれまで主張してきた内容が繰り返されている。6つの原則は、各国の主権と領土の完全性を尊重し、主権平等と内政不干渉などが国際関係の根本であり、国連憲章を遵守し、冷戦的思考と一方主義・覇権主義を排撃しなければならないという内容だ。20の主要方針は、東南アジアや中東、アフリカ、中南米などで現地の国家同士が締結した既存の安全保障関連合意の枠組みを守り、世界が直面している食糧やエネルギー安保、気候変動、防疫、宇宙安保、対テロなどの問題に協力しなければならないという内容だ。

 中国は同日発表したGSIをもとに、国家間の定期的な会議や協議体を構成するものとみられる。秦外相は「中国は適切な時期にGSIの高官級活動を開催し、各国と共同で安全保障計画を協議する」と述べた。

 フィナンシャル・タイムズは「文書の内容はここ数年間、中国外交政策の一部だった原則を繰り返し示したものだが、定期的な会議と政府協議を進めるのは新たな発展になるだろう」と分析した。上海復旦大学国連研究センターの張貴洪教授は「中国は西側が作ったミュンヘン安全保障会議のような独自の会議の創設を目指している」とし、「GSIに加入した国の外相、国防相、国務長官などが集まる定期的な会議を組織する可能性がある」と述べた。中国はすでに2021年から世界の貧困の緩和と開発途上国への支援を掲げた「グローバル開発イニシアチブ」(GDI)を創設して運営している。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1080747.html韓国語原文入力::2023-02-22 15:41
訳H.J

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