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受賞者も「ハハハ」…猟奇的であり奇抜な「変わり種ノーベル賞」

原文入力:2011/09/30 15:22(1423字)
イ・ジョンエ記者

今年の「イグノーベル平和賞」に、装甲車でベンツを潰した強くこねたズオカス市長
「おしっここらえれば悪い決定」がイグノーベル医学賞…アルミホイルメダル授与

←「ワサビアラーム」でイグノーベル化学賞を受賞した日本研究チームが、舞台で喜びを分かち合っている/ニューシス

不法駐車されたメルセデス・ベンツの乗用車を、装甲車で押しつぶしてしまったリトアニアの首都ヴィリニュスのアーチュラス・ズオカス市長が、今年の「イグノーベル平和賞」受賞者に選ばれた。また、タマムシが捨てられたビール瓶と交尾するという事実を明らかにした昆虫学者たちに「イグノーベル生物学賞」が与えられた。

今年で21回目をむかえる「イグノーベル賞」授賞式が、米国ボストンのハーバード大学・サンダーズ・シアターで29日(現地時間)、開催された。 高額の賞金もなく、せいぜい手製の賞状とアルミホイルで作ったメダルが与えられるだけだが、今年も大部分の受賞者が笑いながら授賞式に参加したと、ABC放送が報道した。

「ノーベル賞」をパロディにしたイグノーベル(Ig Nobel:不名誉だという意味の英語「ignoble」から取った語)賞は、ロダンの「考える人」が床に背中をつけて横になっている授賞式のポスターが示すように、固定観念を破る異色の研究に賞を授ける。滑稽なだけで無用な研究に与える賞だと考えると大間違い。注意深く覗いて見ると、奇抜なうえに意味深長な点が多い。

デービッド・ダルビー博士の研究もその内の1つだ。彼は、「おしっこを我慢する時間が長くなるほど、人々は悪い決定をする」という研究結果で、イグノーベル医学賞を与えられることになった。 今回の研究結果は、アルコール・長期睡眠不足・ホワイト騒音など、人間の認識能力を落としかねない要因を研究する過程中で出てきたものだ。ダルビー博士は、「(研究結果は)もし、人々が職場から離れなければならないのに、ずっと仕事をしなければならない場合、安全など他の問題が起きることもあることを示している」と話した。

生物学賞を受けた「タマムシとビール瓶の交尾」の事例も同じだ。研究チームは、タマムシが捨てられたビール瓶の色と形に惑わされ、瓶にのって交尾を試みるという事実を明らかにした。 ビール瓶を私の「パートナー」と考えたタマムシは、蟻の攻撃を受けても瓶から絶対離れてまいとする姿を見せることさえした。タマムシの姿がかわいそうで、笑わせたりするが、研究チームは、捨てられた瓶がタマムシの交尾システムに潜在的な威嚇になり得ると、まじめに話す。

この他にも、夜中に火災が起きた時、非常ベルの音を聞くことができず、事故の危険に直面しかねない聴覚障害者のために、ワサビを空気中に散布させる「ワサビアラーム」を作った日本人研究チームに、化学賞を与え、円盤投げ選手とは違ってハンマー投げ選手が目まいを感じない理由を突き止めたヨーロッパの研究チームに、物理学賞を授与した。また、過去50年間、人類最後の日を毎回間違って予測してきた終末論者たちに、数学賞を与えた。

イ・ジョンエ記者 hongbyul@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/498741.html 訳 M.S