原文入力:2011/09/20 21:14(1057字)
チョ・イルジュン記者
ドイツ ドキュメンタリー「不道徳なヒットラーの寵児」と描き…遺族反発
高潔な軍人なのか、厚かましい戦犯か。
←エルヴィン・ロンメル
第2次世界大戦当時、ナチス・ドイツの北アフリカ機甲軍団を指揮したエルヴィン・ロンメルを再評価したドキュメンタリーが、ドイツで論議を呼んでいる。ドイツの南西ドイツ放送(SWR)が、ロンメルを不道徳な「ヒットラーの寵児」と描写したこのフィルムは、放映どころか完成される前から、ロンメルの子孫たちの激しい抗議を受けていると、イギリス・インディペンデント紙が20日、報道した。
ロンメルは、北アフリカ戦線で卓越した機動戦術と指揮力により、イギリス軍との戦車戦で何度も勝利に導き、「砂漠のキツネ」という別称を得た。 ヒットラーの厚い信任によりドイツ陸軍元帥になり、最高勲章まで受けた英雄だった。 それだけでなく、捕虜に対する寛大な処遇とスマートな戦闘で、敵国の連合軍指揮官たちからも「偉大な将軍」と認められた。 ロンメルは晩年、自身の戦闘を「騎士精神を実現した『憎悪心のない戦争』だった」と自評した。
しかし、ドキュメンタリーを製作中のウルリッヒ・ツルクルは、ドイツ週刊誌「シュピーゲル」でのインタビューで、「ロンメルは『ドイツ戦争世代の体現』であり、自身が情熱を捧げて仕えた人物が戦犯という事実を、あまりに遅く悟った人物として描かれるだろう」と明らかにした。 ロンメルの息子のマンフレット(82)ら子孫は、この映画がロンメルの「騎士道の面影」を無視するとして反発した。彼らはドキュメンタリー製作スタッフに、「ロンメルは初期は軍人としてヒットラーを評価したが、二人の相互尊重は、ヒットラーの「勝利でなければ死」という命令以後、終わった」と抗弁した。製作スタッフ側は、歴史学界と軍事専門家たちから諮問を受け、台本の精密さと監督の慎重さが高い評価を受けたと反論する。
ロンメルは1942年、英国のバーナード・モンゴメリー将軍と対決したエル・アラメインの戦いで、補給が切れると、直ちに「兵士たちの命がより重要だ」との判断で本国の命令を破り退却してから下り坂に入り、1944年にはヒットラー暗殺未遂事件で逮捕された後、自殺した。
チョ・イルジュン記者
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/497130.html 訳M.S