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暗号資産大手のバイナンス、史上最悪の1兆円のハッキング被害…「北朝鮮黒幕説」も

登録:2026-10-31 06:25 修正:2026-10-31 08:06
20分でウォレットから資金が流出、入出金を全面停止 
「被害全額を補償、追跡・回収を推進」…ビットコインが急落
暗号資産取引所バイナンスのロゴ/ロイター・聯合ニュース

 世界最大の暗号資産取引所「バイナンス」で、約63億6000万ドル(約1兆円)規模と推定される史上最悪の暗号資産ハッキング事故が発生し、暗号資産市場が急落し、一部では緊急の資産凍結措置まで取られた。

 バイナンスの広報担当者は30日、公式声明を発表し、「潜在的なセキュリティ問題に関する報告を把握しており、調査を進めている。現段階では、利用者の資金への影響は一切確認されていない」と述べた。その後、さらに「予防措置として、すべての入出金サービスを一時停止し、顧客の被害を全額補償する方針」を示した。バイナンスが独自に推計した事故の影響規模は約63億6000万ドル。

 米国のセキュリティ企業「TRM Labs」によると、同日午前5時5分(韓国時間)頃から、バイナンスの10のブロックチェーンウォレットから資金が流出していた。盗まれた金額の大半は、約20分の間に流出した。TRM Labsは、盗難当時の相場を適用した被害額が、昨年2月のバイビットハッキング事件(約15億ドル)の4倍以上であるとして、史上最大の暗号資産盗難事件とみている。TRM Labsは、顧客の出金などを処理するインターネット接続型ウォレットであるホットウォレットの取引署名システムがハッキングされた可能性があるとし、異なるブロックチェーンウォレット間で、短時間のうちに有効な電子署名が付いた送金が発生した点を根拠に挙げた。

 ハッキングのニュースが流れると、大手ステーブルコイン発行会社のテザーとサークルは、バイナンス取引所における自社のステーブルコインを直ちに凍結する措置を取った。テザーのパオロ・アルドイノ最高経営責任者(CEO)はX(旧ツイッター)を通じて「15億ドル以上のテザーを凍結した」とし、サークルのジェレミー・オレアCEOも「バイナンスの脆弱性を悪用したという報告を受け、直ちに8億ドル規模のコインを凍結した」と述べた。バイナンス側は、現在確認されている凍結金額は約30億ドルだと発表した。

 インベスティング・ドットコムによると、暗号資産分析企業のグラスノードは、今回のハッキングにより約53億ドル(約7兆1000億ウォン)相当の資産が引き出されたと推定した。資産別では、テザー(USDT)16億6000万ドル相当、ビットコイン1万7985枚(約14億5000万ドル相当)、サークル(USDC)7億6300万ドル相当だとグラスノードは説明した。

 バイナンスは別途の告知を通じて、初期調査の結果、開発・運営担当エンジニアのノートパソコンがハッキングされた可能性があることを明らかにした。これにより、攻撃者が内部サービスの実行環境にアクセスし、承認されていない出金取引を要求した可能性があるという説明だ。バイナンスは、もしもの状況において利用者の資産を保護するため、約10億ドル規模の利用者保険基金(SAFU)を2018年から運用している。

 史上最大の暗号資産ハッキングのニュースが市場に広まると、ビットコインはこの日4%前後急落し、ここ1カ月で最も低い1コインあたり7万8516ドルまで下落した。ブルームバーグ・インテリジェンスのジェームズ・セイファート氏は、「オンラインウォレットであるホットウォレットがハッキングされることは暗号資産市場では珍しいことではないが、世界最大の取引所で発生した規模を見ると非常に深刻だ」と懸念を示した。暗号資産ヘッジファンド「サード・アイ」のティアン・ジェン最高経営責任者はブルームバーグに対し、「絶え間なく続くハッキングは仮想通貨業界にとって致命的な打撃だ」とし、「2週間ごとに新しい人工知能(AI)モデルが登場する中で、こうした脆弱性が相次いで露呈するのは極めて危険だ」と警告した。

 バイナンスで発生した今回の仮想資産窃盗事件の攻撃の背後に、北朝鮮のハッキング組織がいるという疑惑まで浮上している。TRM Labsは取引記録と外部情報を総合した結果、ハッキングの黒幕として北朝鮮のハッキング組織「トレーダー・トレーター(TraderTraitor)」を特定し、「この判断には高い確信がある」と説明した。トレーダー・トレーターは、米連邦捜査局(FBI)が昨年、バイビットから約15億ドルの仮想通貨を盗み出した北朝鮮のハッキング活動を指す際に使用した名前。

 バイナンスは、利用者保護基金と会社の資金で全ての損失を補填し、捜査機関およびブロックチェーン分析企業と連携して資金の追跡・回収を推進すると発表した。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1285048.html韓国語原文入力: 2026-10-30 16:57
訳H.J

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