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パイロットによるテロ?イスラエル行き旅客機、故意の墜落未遂めぐる「謎」

登録:2026-10-03 09:02 修正:2026-10-03 09:58
サウジアラビアで容疑者を取り調べ中…総選挙を控えたイスラエルで「安全保障危機論」が波紋
30日、フライドバイのFZ1073便に乗っていたイスラエル人乗客のヤニブ・ハユン氏が、血の付いたシャツを着たままイスラエルのベン・グリオン国際空港に到着し、親族らから温かく迎えられている/AP・聯合ニュース

 イスラエル行きの旅客機の副操縦士が墜落を図った事件をめぐり、その動機についてさまざまな推測が飛び交っている。イスラエル当局は「テロ」と位置づける一方、副操縦士による「自殺飛行」だったとする現地メディアの報道も出ている。

 アラブ首長国連邦(UAE)の格安航空会社「フライドバイ」は30日(現地時間)、声明を発表し、「同日、UAEのドバイ国際空港から(イスラエルのテルアビブにある)ベン・グリオン国際空港へ向かっていたFZ1073便が、運航中に(突発的な)事件に見舞われた」とし、「当社のチームは関係当局と緊密に協力している。追加で確認された詳細が判明し次第、引き続き発表する」と伝えた。同機はテルアビブ到着を約1時間後に控えた同日午前8時21分、高度1万400メートルを飛行していたが、8時22分には高度が5200メートルも低下した。わずか1分間で5000メートル以上も急降下したことになる。その後、航空機はハイジャックの可能性を知らせる緊急信号を発信し、サウジアラビア北西部のタブークにあるプリンス・スルタン・ビン・アブドゥルアジーズ国際空港に緊急着陸した。

 イスラエルのメディアによると、同機の副操縦士が操縦室でインド国籍のスミット・マチハル機長をナイフで刺した後、機体を急降下させた。マチハル機長はナイフで刺されながらも、施錠されていた操縦室のドアを解錠して他の人たちが入れるようにし、乗客らが格闘の末に副操縦士を取り押さえた。その間、別の便を操縦するために同機に搭乗し、テルアビブへ向かっていたパイロットたちが操縦かんを取り戻し、機体の高度を回復させた。

 イスラエルのネタニヤフ首相はX(旧Twitter)への投稿で、「(機長が)刃物で重傷を負いながらも立ち向かい、抵抗した結果、飛行中の大惨事を防ぐことができた」と伝えた。

 オマーン国籍の副操縦士はサウジアラビアで逮捕され、同国の捜査機関による取り調べを受けている。マチハル機長はサウジアラビアで治療を受けている。乗客174人のうち166人はイスラエル国籍で、同日午後、タブークから代替便に乗ってテルアビブに到着した。乗客のミリアム・シラ・オハヨンさんはテルアビブ空港で記者団に対し、「(飛行機は)本当に墜落寸前だった」と語り、首を横に振った。

イスラエルの極右政党「ノアム」の支持者たちが30日、テルアビブのベン・グリオン国際空港で、フライドバイ「FZ1073便」の乗客らの帰還に歓声を上げている/AP・聯合ニュース

 イスラエルの閣僚たちは事件当日から、今回の事件を「テロ」と断定する姿勢を示した。カッツ国防相は声明で、「この事件はジハーディスト(イスラム聖戦主義者)によるテロ攻撃の試みだった」とし、「われわれが把握した初期情報によると、テロリストの狙いはただ一つ、乗客全員を乗せたまま飛行機を墜落させることだった」と述べた。ネタニヤフ内閣の代表的な極右政治家であるベングビール国家安全保障相も、「テロリストが航空機を墜落させ、機内にいたイスラエル人180人を殺害しようとした」と主張した。

 一方、副操縦士が自殺を図るなど、別の動機で事件を起こした可能性があるとの見方も出ている。米国のトランプ大統領はこの日、ネタニヤフ首相と今回の事件について「長時間にわたり電話で話した」とし、「副操縦士はテロリストだったかもしれないし、あるいは狂人だったのかもしれない」と明らかにした。事件の動機はまだ明確に解明されていないということだ。イスラエルの放送局「チャンネル12」は、サウジアラビアとイスラエルの当局が、副操縦士が航空機を墜落させて自殺しようとしたものの、同僚に阻止された可能性について調査していると報じた。

 一方、ネタニヤフ首相をはじめとするイスラエルの急進的民族主義陣営が、今月27日の総選挙を控え、安全保障上の危機を前面に押し出す可能性が高まった。ネタニヤフ首相は前日にも「選挙前に敵がわれわれを攻撃する兆候がある」とする動画メッセージを発表するなど、危機論をあおっていた。イスラエルのサール外相は同日、事件を受けてUAEのアブドゥラ・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン外相と会談した後、声明を発表し、「われわれは、地域の安全保障を損なおうとする過激派勢力に立ち向かうため、互いに協力する意思を確認した」と述べた。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1280385.html韓国語原文入力:2026-10-01 18:47
訳M.S

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