国連が各国に採用を勧告した「イコールアース図法」の地図で、北方領土(クリル諸島のうち、日本が領有権を主張する4つの島)がロシア領として表記されたことに対し、日本政府が反発した。地図製作者側は今後、日本語版の地図に限り、この地域を日本領土と同じ色に修正する方針であることが分かった。
日本政府の木原稔官房長官は10日の定例会見で、イコールアース図法の地図について、「日本政府の立場に反する表記が見られることは認識している」とし、「わが国(日本)の領土および地理的名称に関する誤った認識が(国際的に)広まらないようにする必要がある」と述べた。さらに、木原官房長官は「この地図を掲載しているウェブサイトの運営者に対して、在外公館を通じて地図の表記を修正するよう申し入れを行った」と説明した。
これに先立ち国連総会は5日(現地時間)、各国が16世紀から広く用いてきたメルカトル図法の地図の代わりに、実際の地域の位置や大きさをより正確に示す「イコールアース図法」の地図に切り替えるよう勧告する決議案を164カ国の賛成で承認した。しかし日本政府はこの地図で、日本が領有権を主張する北方領土がロシア領と同じ色で表示されている事実を、後になって確認した。実際、この地図を見ると、日本領は青色になっているが、北方領土はロシア領と同じ色で塗られている。また、これら4島・群島の名称がロシア式で表記されているうえ、「ロシアが実効支配し、日本が領有権を主張」しているという注記が付されている。
北方領土を含むクリル諸島は、第2次世界大戦末期に旧ソ連が占領した地域だ。日本は敗戦後、サンフランシスコ条約でこの地域に対する権利を放棄し、ソ連崩壊後はロシアが実効支配を続けている。一方、日本政府は、自国の領土である北海道の北西に位置するいわゆる「北方四島」は、この条約で放棄した地域には含まれないと主張している。特に先月13日、ロシアのプーチン大統領が在任中初めてクリル諸島を訪問し、日本の領有権主張に事実上の警告を突き付けた。これに対して、日本の高市首相がこの問題について「許容できない」との立場を示すと、ロシアは「傲慢だ」と反論し、論争が続いている。このような状況で、思いがけずイコールアース図法の地図が再び日ロ間の対立を際立たせることになった。
イコールアース図法の地図製作者側は、ひとまず折衷案を提示したことが分かった。この日、日本のFNNは、地図を製作したトム・パターソン氏が同社とのインタビューで「製作者として望ましくないと思う状況でも、地図に反映しなければならないことがある」とし、「今後は日本語版の地図では北方領土を日本列島と同じ色に変更するとともに、英語版では実効支配の状況を示すため、現在の色を維持する」という立場を示したと報じた。
イコールアース図法の地図は、韓国語版を除く英語・中国語・日本語版で東海を「日本海」と表記したことでも物議を醸したことがある。パターソン氏は地図を製作する際、米国政府機関の地図などを参考にしたとFNNに説明した。