米国の移民・関税執行局(ICE)の拘禁施設で、3人の韓国国籍者が死亡していたことが確認された。うち2人は施設内で自ら命を絶っていた。
9日に米国土安全保障省(DHS)の資料を確認すると、2020年5月17日、韓国系男性のアン・ジョンウンさん(当時74歳)がカリフォルニア州メサバードの拘禁施設で死亡した。同氏の遺族は、「自殺」のシグナルがあったにもかかわらず、施設はそれを放置して死に至らしめたとして提訴。同氏の娘がICEと施設の運営会社を相手取って起こした損害賠償訴訟の内容を見ると、高血圧や糖尿病などの持病があったアンさんは当時、新型コロナウイルスに感染すると合併症を起こす危険性が高いことを知ってから、精神の健康が悪化していた。
アンさんが亡くなる1カ月前から、医療陣によって同氏が深刻な自殺衝動を抱いているとの報告がなされていた。アンさんの法律代理人が、アンさんを独房から複数人が生活する部屋に移すよう要請したものの、受け入れられなかった。同年5月11日、アンさんは釈放要請が最終的に拒否されたことに大きく落胆し、6日後に死亡した。弁護団は「ICEと施設運営者はアンさんに適切かつ時宜にかなった医療やメンタル治療を提供しなかった」として、自殺リスクの高い者を隔離状態に置いたのは違法だと主張した。訴訟は昨年6月に双方の合意で終結したが、具体的な合意内容は公開されていない。
1954年生まれの男性、Hさんも、2005年にニュージャージー州パサイク郡の拘禁施設で自ら命を絶った。1948年生まれの女性、Kさんは2006年9月、ニューメキシコ州メトロポリタン拘禁センターですい臓がんにより死亡した。2人がどのような経緯で逮捕され、拘禁施設に入れられたのか、どのような処置を受けたのかなどは記録に残っていない。