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9年ぶりに北京で会談した「同床異夢」の米中首脳…イラン・台湾問題で「現状維持」

登録:2026-05-16 06:47 修正:2026-05-16 08:07
14日、北京の人民大会堂で首脳会談の開催に先立ち、ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席が握手を交わしている/AP・聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が9年ぶりに中国を国賓訪問することで実現した習近平中国国家主席との会談という大型外交イベントは、米中の「同床異夢」の現実を浮き彫りにした。習主席は米国との新たな関係構築に重点を置き、トランプ大統領は「取引」に力を入れた。それぞれ重点を置いた議題では成果を上げたが、敏感な分野では隔たりを大きく埋められず、幕を閉じた。

 中国はトランプ大統領の訪中を「関係再構築」のチャンスと捉えた。第2次トランプ政権発足後繰り広げられた関税・貿易戦争で、中国はレアアース(希土類)という武器を手に、「ティット・フォー・タット(tit-for-tat)」(相手の行為に同じ行為で対抗する)戦略で対抗した。その後、昨年10月末の釜山(プサン)での首脳会談で、両国は貿易戦争の1年間の休戦を宣言した。自信が高まった習主席は、トランプ大統領との2度目の対面において、米国と対等な力を持つ中国の面目を強調し、「建設的・戦略的安定関係」という両国関係の新たな方向性を示した。世界の注目が集まるチャンスを活用し、「2大国」(G2)としてのイメージを高めたのだ。バイデン政権で国家安全保障会議(NSC)の中国担当局長を務めたジュリアン・ゲワーツ氏は、ワシントン・ポスト紙に対し、「習主席は中国の指導者たちが数十年にわたり追い求めて来たことを成し遂げた」とし、「米国大統領を北京に招き入れ、論争の余地のない対等な相手として扱った」と語った。

 トランプ大統領は、より取引中心的なアプローチを見せた。トランプ大統領は国賓晩餐会で、「我々は共に素晴らしい未来を築くことになるだろう」と述べ、米国の企業人の代表団を率いて中国市場へのアクセスと投資拡大を強調した。米国側は、中国による米国産農産物・エネルギーの購入拡大と投資協力を主要な成果として強調した。トランプ大統領は14日、米中首脳会談を終えた後、FOXニュースのインタビューで「習主席が今日同意したことの一つは、ボーイング機200機を発注することだ」と述べた。

 台湾問題は習主席の警告メッセージとして大きな注目を集めたが、米国の立場の変化は見られなかった。習主席はトランプ大統領に対し、「台湾問題は米中関係において最も重要な問題だ」とし、「適切に処理されなければ両国が衝突し、米中関係を極めて危険な状況に陥らせるだろう」と述べた。今回の異例の強硬な警告は、台湾問題を米中関係の「レッドライン」としてさらに明確にする狙いがあるものとみられる。一方、トランプ大統領は台湾問題への言及を避けた。ただし、マルコ・ルビオ国務長官はNBC放送のインタビューで、台湾問題について「我々の政策は変わっていない」と述べた。国際危機グループ(ICG)のウィリアム・ヤン氏は、「そのような言及がなかったことは、トランプ氏が台湾に関する原則から動いていない可能性を示唆している」と分析した。中国は台湾問題を最優先議題に掲げたが、米国が公に立場を変えた兆候は見られないという意味だ。

 イランとホルムズ海峡の問題は、米国にとって解決が急務の課題だ。ところが、中国は米国に協力するという明確な意思を示さなかった。15日午前、中南海で行われた少人数会談で、トランプ大統領は「我々はイラン問題について議論し、非常に似た考えを持っている」とし、「我々は彼らが核兵器を持つことを望んでいない」と述べた。ホルムズ海峡問題については、「彼ら(イラン)が先に封鎖し、その後我々がさらに封鎖したが、我々はそれが終わることを望んでいる」と述べた。習主席がこれにどう答えたかは明らかになっておらず、新華社通信は習主席が「国際および地域問題に関する意思疎通と調整を強化することに同意した」とのみ報じた。中国外務省も同日の定例会見で、早期の終戦とホルムズ海峡の解放が必要だという原則的な立場を確認するにとどまった。

 専門家らは、トランプ大統領と習主席の今回の会談は、衝突を防ぐという次元で行われたと分析した。半導体やレアアースの輸出規制など、米中間に潜む重要な経済・貿易問題も主要な議題にはならなかった。イラン戦争の長期化や迫りくる中間選挙の負担が大きいトランプ大統領と、景気後退の克服という課題を抱える習主席は、困難な課題を掘り起こすよりは現状維持でいくことに暗黙のうちに同意した結果とみられる。米ジョージタウン大学のラッシュ・ドーシ教授はこれについて、「中国が自国に有利な形の『休戦』を定着させようと試みたものとみられる」とし、「貿易戦争後のデタント(雪解け)を新たな基準線にしたいと考えている」と分析した。

北京/イ・ジョンヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1258931.html韓国語原文入力:2026-05-15 19:06
訳H.J

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