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交渉直前に米軍がイラン船をだ捕…またトランプ大統領の崖っぷち戦術

登録:2026-04-21 01:33 修正:2026-04-21 07:15
イラン船だ捕…交渉に応じない場合の見せしめ効果 
トランプ「合意の枠組みできた」…イランは「報復」
米国のドナルド・トランプ大統領が18日(現地時間)、ホワイトハウスの執務室で目を閉じている/AP・聯合ニュース

 米国は停戦終了を翌日に控えて「イラン船舶のだ捕」という超強硬策を取り、イランに対する圧力を極限まで高めている。戦争拡大リスクを高めてイランを交渉のテーブルに引きずり出す「崖っぷち戦術」であり、最大限の圧力をかけて2週間の停戦合意を引き出した過程と類似している。米国による船舶のだ捕に報復を予告しているイランが第2次会談に応じるかがカギとなる。

 19日(現地時間)に米海軍の駆逐艦がオマーン湾でイラン船籍の貨物船「トゥスカ」の機関室を射撃して船舶を停止させ、海兵隊員を乗船させたのは、表面上は対イラン海上封鎖作戦の一環だ。しかし、第2次交渉が目前に迫る中で武力を用いてイランの船舶をだ捕するという行為は、イランに「交渉に応じない場合の代償」を意識させるためのものと解釈される。

 トランプ大統領が先に、交渉団がパキスタンに向かっていると述べつつ「合意を受け入れなければ、イランのすべての発電所と橋を攻撃する」と警告したのと同じ文脈だ。米CNNは、トランプ大統領が昨年の中国に対する関税圧力と同様、最大級の威嚇を行う「最大圧力パターン」を今回の事態でも駆使していると分析した。

 トランプ大統領は交渉の実現にとどまらず、結果も楽観している。アクシオスとのインタビューで「合意の基本的な枠組みは固まった」とし、「妥結の可能性は非常に高い」と自信を示したのだ。ニューヨーク・ポストにも、スティーブ・ウィトコフ中東特使が20日夜にイスラマバードに到着する予定で、娘婿のジャレッド・クシュナー氏も交渉に関与するだろうと語っている。トランプ大統領は、交渉の進展によっては自らパキスタンを訪問する可能性も否定していない。

20日(現地時間)、米国とイランの第2次会談が予定されているイスラマバードのセレナホテルそばの路上でパキスタン軍の兵士が警戒にあたっている=イスラマバード/ロイター・聯合ニュース

 しかしイランは、米国が交渉を提案しておきながら同時に軍事行動を強めていることに対し、強い不信感をあらわにしている。アクシオスによると、一部のイラン当局者はトランプ大統領の交渉提案のことを「奇襲攻撃のための名目作り」だと疑っている。テヘラン大学のジョレ・カラズミ教授もアルジャジーラに、「第2次交渉の開始という敏感な瞬間にイランの船舶を攻撃したのは、米国が交渉を軍事攻撃のための偽装手段として利用していることを示すものである可能性がある」と分析した。

 イランの発するメッセージは一貫していない。先日、アッバス・アラグチ外相は海峡を一時的に開放すると発表したが、イスラム革命防衛隊はわずか一日でそれを覆して再封鎖した。革命防衛隊を中心とした強硬派と穏健派との間で対立が深まっているとの解釈が示されている。このような状況にあって「トランプ式の最大圧力」戦略は、むしろ強硬派の発言権を強め、交渉そのものをより困難にする可能性がある。

 難題が絡んでいるだけに、短期間で終戦合意が成立することはなく停戦が延長される可能性が指摘されている。トルコのハカン・フィダン外相はこの日のアンタルヤ外交フォーラムで、「停戦満了時に新たな戦争が勃発することを望む者はいない」と述べつつ、停戦の延長に楽観的な立場を示した。イスラマバード市内は多くの警備兵が配されており、主要道路も封鎖されている。BBCによると、会談の会場となるセレナホテルは一般の宿泊客を全員退去させ、ホテルそばに鉄条網を設置するなど、米国代表団を迎える準備を終えている。

ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1255021.html韓国語原文入力:2026-04-20 16:05
訳D.K

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