米国・イスラエルとイランによる戦争終結に向けた水面下の交渉が進められながらも、両者による空爆が続くなか、イランは米軍のレーダー基地への攻撃に注力している。
フランス紙「ル・モンド」によると、イラン軍は1日(現地時間)、イラン準国営のファルス通信で発表した声明で、「(イスラエルのテルアビブにある)ベン・グリオン国際空港内の米軍の早期警戒管制機(AWACS)と空中給油機の配備地点をドローンで攻撃した」と表明した。アラブ首長国連邦(UAE)の「ミサイルおよび戦闘ドローン探知・迎撃用レーダー設備」と「戦闘ドローン対応の任務を担う電子戦施設」も攻撃したと主張した。
特にこの日の攻撃では、「飛行距離が2000キロメートルに達するドローン『アラシュ(Arash)2』が使用された」とイラン軍が明らかにした。アラシュ2は、イランがイスラエル攻撃を目的に2020年に初めて配備した自爆ドローンだ。イラン軍の主力である「シャヘド136」(飛行距離2500キロメートル・弾頭30~40キログラム)に比べると飛行距離は短いが、最大150キログラムの弾頭を装着可能だとされる。イラン軍はこの日、どれだけの航空機やレーダーを破壊したのかについては明言しなかった。
イランは最近、相次いで米軍の対空探知資産を標的にしている。3月28日にはサウジアラビアの米軍基地を攻撃し、米国の空中監視の中核を担う早期警戒管制機「E-3セントリー」を損傷させたのが代表的なものだ。この装備を更新するためには、1機あたり約7億ドル(約1兆1000億円)の費用を要する。
3月中旬にはヨルダンでレーダーシステム「AN/TPY-2」を破壊した。フランス紙「フィガロ」によると、このレーダーはイスラエル軍のレーダーよりも精度が高く、敵の発射体の飛行軌跡を計算し、ミサイルと防空網欺瞞用の発射体を識別する。この他、カタールやクウェートなどでも、米軍のレーダーが破壊されたことがわかった。
これは、イランが敵の「目」をさえぎり、自身の非対称戦力である弾道ミサイルと自爆ドローンの爆撃効果を最大化しようとする戦略だ。イランは2月28日の戦争勃発前までに、弾道ミサイルを約2500発、ドローン「シャヘド」は最大で6000機保有していたと推定される。しかし、現時点では相当数を使用・消耗しており、それぞれ1000程度しか残っていないものとみられる。これに対し、イランはこれらを節約して発射しながらも、敵による撃墜が困難になるよう、高価な探知レーダーなどを優先的に破壊している。
実際に、探知装備の損傷が進むほど、イランの長距離兵器が防空網を突破する頻度は高まっている。軍事専門家らは、3月21日のイスラエルの軍事核研究センターがあるティモナとアラドの中心部にイランのミサイルが落下したことに注目している。当時、両地域で少なくとも175人が負傷した。
フィガロは、軍事メディア「国際防衛と安全保障」のジョセフ・アンロタン編集長の話を引用し、「ティモナがこのように攻撃されるとは、(戦争開始の)ほんの数週間前には想像できなかった」として、「イランが敵の(探知)技術手段を無力化した結果である可能性がある」と説明した。
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)も同様に、最近公表した報告書に「イランが(3月24日までの間に)米国および同盟国のレーダーと衛星端末を少なくとも12個損傷させ、(米国・イスラエル軍による)迎撃効率が減少した」と記載した。