米国との関税交渉の責任者を務める日本の赤沢亮生経済産業相が米国を訪問し、日本の「対米投資第1号案件」に関する長官級協議を行ったが、合意に至らなかった。日本では、両国が昨年7月の貿易交渉時に合意した日本の5500億ドル規模の対米投資のうち、最初の投資先が近く確定するとの見通しが出ていた。
共同通信などの日本メディアによると、赤沢経済産業相は12日(現地時間)、ワシントンでハワード・ラトニック米商務長官と協議した後、報道陣に対し、米国と日本の間には「まだ大きな隔たりがある」と述べ、案件(投資先)決定で合意に至らなかったことを明らかにした。赤沢経済産業相はまた、 「日米間で調整すべき点は残されている」としつつ「相互利益にかなう案件組成に向けて緊密に取り組むことで一致した」と述べた。約1時間半に及んだ協議では両国間での進展はあったものの、赤沢経済産業相は「(投資)プロジェクトで見込む金利などを含めて緻密な議論をするのでタフな協議になっている」と説明したと日本メディアは伝えた。
赤沢経済産業相は、日本の対米投資先の決定時期については「高市(早苗)首相の米国訪問」を「念頭に置いて交渉している」と明らかにした。高市首相は3月19日に米国を訪問し、ドナルド・トランプ大統領と会談する予定で、これに先立って成果を出すことを目標としていることを示唆しているようだ。
日本の「対米投資第1号案件」としては、ガス火力発電施設、人工ダイヤモンド生産工場、原油積載に必要な港湾建設などが有力候補として挙がっているという。
ただし赤沢経済産業相はこの日、両国が協議した第1号案件が具体的に何になるかについては明らかにしなかった。事業発表の時期や内容について「予断を許すものではない」と述べ、具体的な回答を避けたと報じられた。プロジェクト発表が遅れていることについては「(米国と日本との間に)互いに不信感はない。意図的に遅らせようとしている話は、日米間ではない」と語ったと時事通信は伝えた。
一方、時事通信は、ラトニック長官が未成年性搾取犯ジェフリー・エプスタイン事件への関与疑惑で辞任圧力を受けており、「こうした経緯が交渉に影響を与える恐れもある」と指摘した。