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ゼレンスキー大統領、領土で譲歩を初示唆…ドンバス「自由経済地域」受け入れの意向

登録:2025-12-25 06:16 修正:2025-12-25 07:36
「戦争を継続するか自由経済地域か、決断が必要」 
「米国の20項目の和平案、終戦の主要な枠組み」
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が23日、キーウの大統領公邸で記者団との懇談会で発言している/AFP・聯合ニュース

 ウクライナが、終戦交渉での最大の争点となっている領土問題について譲歩する可能性を初めて示唆した。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、米国マイアミで先週行われた終戦交渉で米国が提案した和平案を説明し、ロシアがウクライナ軍の撤収を要求している東部ドンバス地域(ドネツク州とルハンスク州)を「自由経済地域」とすることが、潜在的な選択肢の一つだと記者団に述べた。BBCなどが24日に報じた。ゼレンスキー大統領は「二つの選択肢がある。戦争を継続するか、あるいは、すべての潜在的な経済地域について何らかの決断を下さなければならない」と述べた。

 このような発言は、米国側が修正案を提示した20項目の和平案を記者団に明らかにする際になされた。ゼレンスキー大統領はこれまで、領土問題での譲歩をかたくなに拒否してきたが、今回の発言は領土自体を放棄する意向ではないとはいえ、かなりの変化だ。終戦交渉での最大の争点は、ウクライナが依然として保持しているドネツク州の一部の地域からの撤収を求めるロシアの要求だ。米国はこれについて、ウクライナ軍が撤収すれば、この地域を非武装の自由経済地域にするという妥協案を提案した。

 また、ゼレンスキー大統領は自由経済地域について、ロシアが現在占領中のウクライナ南東部のザポリージャ州にある欧州最大のザポリージャ原発の周辺にも設置されるべきだと強調した。さらに、ロシア軍がウクライナの他の4地域、すなわち、ドニプロペトロウシク州、ミコライウ州、スームィ州、ハルキウ州からも撤収すべきだと主張した。ロシアも、ウクライナがドンバスから軍を撤収すればスームィやハルキウなどから撤収できると示唆し、米国はこれを一種の領土交換として提案している。

 ゼレンスキー大統領は「ウクライナは撤収に反対するが、米国の交渉担当者は非武装地域や自由経済地域の設置を望んでいる」と付け加えた。領土についての問題などを含む敏感な問題は「指導者レベルで決断されるべきこと」だとしながらも、新たな草案はウクライナに強力な安全保障を提供し、80万人の兵力も約束すると説明した。

 また、この和平案は「戦争を終わらせるための主要な枠組み」だと肯定的に評価し、ロシアが再侵攻した場合、米国と欧州、北大西洋条約機構(NATO)の共同対応による安全保障も提案されたと明らかにした。

 このような主張は、米国が修正提案した20項目の和平案を事実上受け入れたと読み取れる。ゼレンスキー大統領は、米国が20項目の和平案をロシア側に伝え、ロシアも反応を示すだろうと述べた。

 米国は11月中旬、当初は28項目からなる和平案を出し、ウクライナに対して強く圧力をかけた。米国は、ウクライナと欧州が28項目の和平案はロシア側に偏っていると批判したため、ウクライナに対する安全保障やウクライナ軍の兵力規模などについて、ウクライナの要求を加えた20項目を修正提案した。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1236450.html韓国語原文入力:2025-12-24 22:21
訳M.S

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