ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は27日(現地時間)、北朝鮮のチェ・ソンヒ外相と会い、朝ロ関係は「計画通りに発展している」と述べた。
AFP通信によると、クレムリンはこの日、プーチン大統領がクレムリンでチェ外相と接見する映像をテレグラムの公式チャンネルに投稿した。映像では、プーチン大統領がチェ外相と握手しながら「お会いできてうれしい。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長にあいさつを伝えてほしい」と語りかけている。
プーチン大統領はチェ外相に「すべてが計画通りに進んでいる」とも述べた。近年、北朝鮮とロシアが密着している中、両国関係が円満に発展しているということを述べたものと解釈される。クレムリンは、二人の具体的な会話内容は公開していない。
チェ外相はこの日、プーチン大統領の接見に先立ち、セルゲイ・ラブロフ外相とも会談した。チェ外相はラブロフ外相との会談で、9月3日の金正恩国務委員長とプーチン大統領との北京での首脳会談は「朝ロの包括的戦略的パートナーシップをより新たな高い関係へと飛躍させた」と評価した。続けて「国家主権と領土安保、国際的正義を守るロシア指導部の政策を変わることなく支持するとともに、条約を誠実に履行するというのが北朝鮮の対外政策的立場」だと強調した。
これに対しラブロフ外相は、「ロシアのクルスク解放に参加した北朝鮮軍の英雄的行動を常に忘れないだろう」とし、北朝鮮のクルスク派兵に感謝の意を伝えた。ウクライナが昨年夏、ロシア西部のクルスク州などを一部占領したことに対し、北朝鮮軍は同年10月からロシアによる領土奪還作戦に派遣された。
チェ外相は昨年11月4日にもクレムリンでプーチン大統領に会っている。この時の会談は、北朝鮮によるクルスク派兵に伴うプーチン大統領の「特別待遇」と解釈されている。
チェ外相の今回のロシア訪問は、トランプ大統領と金委員長の首脳会談の可能性とも相まって注目された。米国のドナルド・トランプ大統領は27日、「彼(金委員長)が会いたがるなら、私は彼に会いたい」と述べ、金委員長との首脳会談の意志を表明している。29~30日に予定されている訪韓期間を延長してでも、金委員長と会談するという意向を示してもいる。しかし、北朝鮮の「外交の長」格であるチェ外相が平壌(ピョンヤン)を空けたことで、金委員長はトランプ大統領の提案に応じない可能性があるとの観測が流れている。チェ外相はロシアに続き、ロシアの友好国ベラルーシも訪問する予定だ。