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韓中関係回復に期待…習主席、「限韓令解除」のプレゼントをもたらすか

登録:2025-10-28 06:19 修正:2025-10-28 10:03
韓中首脳会談での主要な議題は
クリップアートコリアより//ハンギョレ新聞社

 中国の習近平国家主席が11年ぶりに韓国を国賓訪問する際、どのような「プレゼント」を用意するかに関心が集まっている。来月1日に開かれる韓中首脳会談で、関係回復・改善という原則的な立場表明の他に、韓国が中国に望んできた様々な議題をめぐる議論と結果が出るかに期待が高まっている。

 李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、韓中は首脳間の電話会談とハイレベル協議などを通じて、前政権時代に冷え込んだ両国関係の回復に向けた意志を示してきた。この過程で韓中は(両国関係を)「戦略的協力パートナーシップ」へと発展させるべきという原則的な共感をなす一方、両国間の経済・外交などの問題を解決していくという立場を示してきた。

 最大の関心事としては、中国の文化コンテンツ市場開放が挙げられる。中国は韓国コンテンツに対する非公式制裁である「限韓令」(韓流制限措置)の存在を否定しているが、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備をめぐる軋轢以降、2017年から文化市場への接近は縮小された。 ここに中国の自国文化コンテンツ産業の保護および強化措置が加わり、韓国の中国市場の立地はより一層弱くなった。李政権発足後、限韓令解除のシグナルともいえる韓国の歌手グループの中国コンサート開催のニュースなどが流れたが、結局見送られる事例が相次いだ。

 李在明大統領も今回の首脳会談で、文化コンテンツ市場へのアクセス拡大を要求するものとみられる。大統領室のウィ・ソンラク国家安保室長は26日、「韓国放送」(KBS)の「日曜診断」に出演し、習主席の今回の訪韓および限韓令について、「制度化されたかどうかにかかわらず、互いの人的、物的、文化的交流を円満で制約のないように解決しようという話をより多く交わすだろう」と述べた。これに先立ち、李在明政権は大統領特使団、中国戦勝節記念式への代表団などを通じても、中国に同じメッセージを送ってきた。

 このような韓国側の要求は中国が最近強調する「対外開放拡大」とも合致する内容だ。中国共産党の最高指導機関である第20期第4回中央委員会全体会議(4中全会)は23日の公報を通じて、中期経済発展計画である第15次5カ年(2026~2030年)規画の主要内容を発表し、「高いレベルの対外開放を拡大し、多国間貿易システムを守っていかなければならない」と明らかにした。

 それと同時に、韓中両側で10年前に結んだ自由貿易協定(FTA)の第2段階をめぐる交渉を求める声もあがっている。第1段階では材料、部品、装備などの分野の市場開放、交流拡大を図ったとすれば、第2段階協定を通じて文化、観光、法律などの分野の開放を推進する必要があるということだ。上海国際問題研究院の朝鮮半島専門家である牛暁萍氏は「韓中首脳会談の主要議題として、自由貿易協定のアップグレードをはじめとするデジタル・グリーン経済分野の協力が扱われるだろう」と予想した。

 一方、中国高官らは韓国内の反中・嫌中感情の拡散を指摘し、韓国政府に断固たる対応を求めている。両国首脳会談で、限韓令と嫌中感情の拡散問題が議論される可能性がある。

 韓国は朝鮮半島・北朝鮮問題で中国の協力と役割を強調するものとみられる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国戦勝節記念軍事パレードへの出席のため6年ぶりに訪中し、朝中関係の回復の兆しがあらわれていることを受け、「非核化」を拒否する北朝鮮を中国が黙認するのではないかという懸念が韓国では高まっている。先月4日に開かれた朝中首脳会談では、過去に例外なく取り上げられきた「非核化」に関する表現が一度も登場しなかった。ただし、中国は朝鮮半島問題に対する立場には変わりがないと主張している。

北京/イ・ジョンヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1225761.html韓国語原文入力:2025-10-27 20:16
訳H.J

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