米国のドナルド・トランプ米国大統領は、(下級審に続き)最高裁まで自身が課した相互関税を違法と判断した場合、欧州連合(EU)や日本、韓国などと締結した貿易協定が廃棄される可能性があると述べた。
トランプ大統領は3日(現地時間)、ホワイトハウスの執務室で記者団に対し、「我々が訴訟で負ければ、米国は深刻な苦痛を味わうことになるだろう」とし、「これらの貿易協定はいずれも締結されたが、おそらく再び元に戻さなければならないだろう」と述べた。
トランプ大統領は、自身が課した関税は主要貿易国との交渉で米国にテコを提供し、その結果、米国が相手国の製品の関税を引き上げたにもかかわらず、報復されることなく交渉を進めることができたと主張した。また、このような措置が世界最大の経済国である米国に「再び信じられないほど豊かになるチャンス」を提供したと強調した。トランプ政権は最高裁に上告を準備しており、手続きをできるだけ速やかに進められるよう「迅速審理要請書」を同時に提出する方針だ。
ワシントンD.C.の連邦巡回区控訴裁判所は先月29日(現地時間)、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠に課した関税を違法と判断した。5月に一審裁判所である国際貿易裁判所が出した判断を支持したのだ。ただし、行政府が最高裁に上告できるよう、判決の効力を10月14日まで猶予した。
判決後、スコット・ベッセント米財務長官は、最高裁が控訴審と同じく相互関税を違法と判断したとしても「関税を維持するための他の手段が多数存在する」としながらも、「(相互関税のように)強力ではなく、効率的でもない」と述べた。
ワシントン/キム・ウォンチョル特派員wonchul@hani.co.kr