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米国「バンカーバスター」史上初の実戦投下…同地点を連続打撃

登録:2025-06-23 06:43 修正:2025-06-23 07:11
米国、イランの核施設爆撃でGBU-57/Bを使用との報道相次ぐ
2019年5月、米ニューメキシコのホワイトサンズ・ミサイル実験場で、米空軍のB2ステルス爆撃機がバンカーバスター(GBU-57 MOP)を投下する様子=ユーチューブチャンネル「Ultimate Military Channel」より//ハンギョレ新聞社

 米国がイランの核施設攻撃に「バンカーバスター」と呼ばれるGBU-57/Bを使用したという海外メディアの報道が相次いでいる。この報道が事実なら、実戦使用は今回が初めて。米議会調査局(CRS)報告書、米国防総省作戦実験および評価(DOT&E)報告書、米ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト報道などを通じてGBU-57/Bの性能をまとめた。

 バンカーバスターは空中投下後、地表面を突き破って地中を進み、事前に設定した深さになると弾頭が爆発するように設計された超大型貫通爆弾(MOP)だ。地下に隠されたバンカーなど軍施設などを破壊する用途だ。

 米空軍は2004年、山岳地帯にある核施設攻撃のためのバンカーバスターの設計に入った。米ボーイングが製作したGBU-57/Bは現存する最大・最高性能のバンカーバスターだ。重さ13.6トン、長さ6.2メートル(直径0.8メートル)で、内部に高性能の爆薬2.4トンが積まれている。重すぎるため米空軍のスピリットステルス爆撃機B-2だけが運搬・投下できる。重さと長さのため、最大限搭載できるのは2発。「米国の兵器庫で最も重い通常兵器」(ワシントン・ポスト)、「スクールバスほどの重さ」(ニューヨーク・タイムズ)と言われるほどだ。

 GBU-57/Bは13トンを越える重さで超音速に近い速度で落下する運動エネルギーを利用し、コンクリートと土、岩盤を貫通する。地面に衝突した時、特殊高性能合金で作られた円錐型弾頭ケースが爆弾に加えられる衝撃を分散させ、目標の深さまで到達させる。

 この爆弾は、土や岩盤など一般的な地層の場合、最大61メートルの深さまで入り込んで爆発する能力を備えている。ニューヨーク・タイムズは報告書などを引用し、「自由の女神像の高さは台を除いて46メートルだが、GBU-57/Bは建物基礎工事用コンクリートの場合61メートル、高強度コンクリートの場合は7.6メートルまで貫通できる」と報じた。

 ただし、今回米軍が爆撃したイランのフォルドゥ核施設の場合、山の表面から80~100メートルの深さにあるという。 ニューヨーク・タイムズは「爆弾一つでは核施設に到達するには十分でないため、同じ地点に数回爆撃しなければならない」と報じた。空爆したところを再び攻撃することで、爆弾一つでは到達できない深いところまで打撃する方式だ。実際、米軍は今回の爆撃で、フォルドゥ核施設に少なくとも6発のバンカーバスターを投下したという。GBU-57/BはGPS装置で精密誘導されるため、同じ地点を連続して爆撃することができる。また、目標施設のある深さに到達すれば、弾頭が爆発(遅延信管)するように事前プログラミングすることもできる。

 ワシントン・ポストは、これまで知られていた最大貫通の深さは61メートルだが、20年間改良を経たため、貫通性能がさらに高くなった可能性があるという軍事専門家の分析を伝えた。一方、ニューヨーク・タイムズは、これまでイランがバンカーバスターに備えて強度がさらに強いコンクリート技術を研究してきたとして、「イランが核施設にどんな種類のコンクリートを使用したのかは不明だ」と報道した。今回のバンカーバスター爆撃の結果は見守らなければならないという趣旨だ。実際、イランは「イランの核施設を完全に取り除いた」というドナルド・トランプ大統領の発表について、「被害は地上部分に限られている」と反論した。

 韓国にはこれと類似した武器として「玄武5」がある。弾頭の重量は8トンに達し、世界最大水準の超高威力地対地弾道ミサイルだ。 破壊力があまりにも強力で「怪物ミサイル」と呼ばれる。 このミサイルは、地下100メートルにある北朝鮮の戦争指揮施設、地下ミサイル基地などを破壊する手段として開発された。 地下数百メートルまで貫通・破壊することができるという。

2023年、米国ミズーリ州ウィットマン空軍基地で輸送中のバンカーバスター爆弾のGBU57/AP・聯合ニュース
キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1204017.html韓国語原文入力「:2025-06-22 19:20
訳H.J

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