本文に移動

習近平主席、モスクワ訪問…トランプ大統領の「仲違い策」にも中ロ密着強化

登録:2025-05-08 06:29 修正:2025-05-08 07:54
中国の習近平国家主席(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年10月22日のロシアのカザンで開かれたBRICS首脳会議で顔を合わせた=カザン/タス・聯合ニュース

 中国の習近平国家主席が、ロシアの戦勝節記念日に出席するためモスクワを訪れた。習主席のロシア訪問は、トランプ政権がロシアと距離を縮め中国を孤立させようとする試みにもかかわらず、中ロの強化された戦略的友好関係を確認するきっかけになるものとみられる。

 7日、習近平主席は4日間の日程でロシアのモスクワを訪問した。8日にウラジーミル・プーチン大統領と首脳会談を行い、9日にはモスクワの「赤の広場」で開かれる第二次世界大戦80年戦勝記念式典と軍事パレードに出席する。この日、習主席はロシア国営の「ロシア新聞」への寄稿で、「(第二次世界大戦の終戦から)80年が過ぎた今も、一方主義、覇権主義、締め付けは極めて有害な行為であり、人類は再び統合と分裂の岐路に立たされた」と述べた。遠回しながら米国を批判し、共に立ち向かうことをロシアに呼びかけている。

 1月に発足したドナルド・トランプ政権は、ロシアとの距離を縮めながら密着し、中国に圧力を加える「逆ニクソン戦略」を駆使しているとされる。1970年代初め、ニクソン政権は旧ソ連を孤立させるため中国と協力したが、トランプ大統領は逆に中国を封鎖するためにロシアに接近している。ところが、これについて米国外交問題評議会(CFR)のジョシュア・カランジーク上級研究員は、「ロシアを中国から引き離そうとする米国の試みは、中ロ間の堅固な戦略的関係を過小評価したもの」だと評した。

 カランジーク研究員の指摘通り、トランプ大統領の試みはまだ成功していない。トランプ大統領はウクライナ戦争の終戦仲裁に乗り出したが、実質的な休戦は実現していない。米国は中国に中国製品への超高率関税を課して圧力をかけたが、中国も対米報復関税で強硬に対抗している。

 米国のシンクタンク「スティムソンセンター」の中国担当研究員であるユン・ソン氏は、CNNのインタビューで、習主席の今回の訪ロ日程中に「中国とロシアは確固たる同盟のイメージを示すだろう」とし、「米国の政策が世界に混乱をもたらしており、両国が国際情勢に安定性と信頼性を与え、脱米国化が進むというシグナルを送るだろう」と語った。

 米中対決で戦略的価値が高まったロシアは、今回の習主席の訪問に伴う経済的成果を狙っている。ロシアは今回の両国首脳会談で経済・エネルギー分野の協議が行われると発表した。「アジアソサエティー政策研究所」(ASPI)の中国分析センターのニール・トーマス研究員はブルームバーグ通信のインタビューで、「プーチン大統領がトランプ大統領に求愛されている状況で、習主席は今回の訪問でさらに多くのニンジンを提示する可能性がある」とし、「『シベリアの力2』のような事案に友好的な態度を示す可能性がある」と語った。中ロはロシア産ガスを中国に供給するパイプライン「シベリアの力2」の建設を議論してきたが、コストや物量などで合意に至らず、膠着状態に陥っている。

 ロシアに軍を派遣して密着する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、戦勝記念日行事には出席しないという。ロシア国営のタス通信によると、ユーリ・ウシャコフ大統領外交政策補佐官が前日のブリーフィングで、「80年戦勝節記念式典に、北朝鮮代表として大使級が出席する」と述べたという。軍事パレードなどにはシン・ホンチョル駐ロシア大使が出席するという。ロシアは、金委員長の今年中の訪ロに向けて準備が進められていると明らかにしており、金委員長は戦勝記念日以降、ロシアを訪問する可能性が高い。

北京/イ・ジョンヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/1196200.html韓国語原文入力:2025-05-08 01:23
訳H.J

関連記事