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国際刑事裁判所、イスラエル首相・ハマス指導部の逮捕状請求

登録:2024-05-21 07:15 修正:2024-05-21 08:30
16日(現地時間)、ガザ地区南部のハンユニスでパレスチナ人の子どもがパンを食べている/AFP・聯合ニュース

 国際刑事裁判所(ICC)は20日(現地時間)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とパレスチナのイスラム組織ハマスの指導者の両方に対して逮捕状を請求した。

 この日、ICCのカリム・カーン主任検察官は声明を発表し、ネタニヤフ首相とイスラエルのヨアブ・ガラント国防相に加え、ハマス指導部のヤヒヤ・シンワル氏、ムハンマド・アル・マスリ氏、イスマイル・ハニヤ氏の3人について、裁判所に逮捕令状を請求したと述べた。彼らについて「カザ地区とイスラエルで戦争犯罪と人道主義に反する犯罪を犯した責任がある」と令状請求の理由を伝えた。

 ネタニヤフ首相とガラント国防相は、故意の殺人行為を犯し、意図的に民間人を攻撃した点、また、戦争の手段として民間人を飢餓に陥らせた容疑などでICC条約に違反したとの説明だ。イスラエルが意図的かつ体系的にガザの全地域で生存に必要な物資を奪った状況を示す生存者のインタビューや、目撃者の証言および映像なども証拠として提出された。昨年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃した2日後の10月9日から、イスラエルからガザを通過する水道管を止め、地域の住民たちの主な飲料水源を遮断し、電気の供給を遮断した行為も問題とされた。

 カーン主任検察官は「このような行為は、戦争手段として飢餓を利用した計画の一部」だとし、「イスラエルにも国を守るために行動を取る権利はあるが、このような権利はイスラエルに国際人道法を遵守する義務までも免除するものではない」と述べた。

 あわせて令状を請求したハマスの指導部については、10月7日の奇襲攻撃で民間人数百人を殺害し、245人の人質を拘束した容疑を適用した。ハマスに拉致された人質が非人道的な環境に閉じ込められ、強姦などの性的暴行の被害を受けたとみられる証拠も提出された。

 3人の判事で構成された事前審理裁判所にカーン主任検察官が令状を請求すると、判事らは証拠を検討して次の手続きを進めるかどうかを決める。AP通信は、この期間だけで通常2カ月ほどかかると報じた。

国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン主任検察官=国際刑事裁判所のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 しかしイスラエルは、ICC加盟国ではないため裁判所は令状請求などができないとする立場だ。イスラエル戦時内閣の一員である国家統合党のベニー・ガンツ代表は「現在のイスラエルは、ハマスが犯した虐殺の後、現代史で最も正しい戦争を行っている」として、「逮捕状請求はそれ自体が歴史的に記憶される犯罪」だと批判した。ハマスもまた、指導部に向けられた令状請求について「被害者を死刑執行人にたとえ、(イスラエル)占領軍に虐殺を継続させるようそそのかすもの」と述べたと、DPA通信は報じた。

 カーン主任検察官は声明で、2021年2月に裁判所がガザ地区とヨルダン川西岸地区を含むパレスチナの領土に対して管轄権を行使できると決めたことを指摘し、非当事国であるイスラエル国民がパレスチナ領土で犯した犯罪についても管轄権を持つと明言した。カーン主任検察官は「(令状が)発行されたら、逮捕のために総力を尽くす」とも述べた。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1141345.html韓国語原文入力:正2024-05-20 22:55
訳M.S

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