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ロシア、ウクライナ北東部へ地上軍戦闘を拡大…重大局面を迎えるか

登録:2024-05-13 06:07 修正:2024-05-13 15:28
ロシア「ハルキウ州の5つの集落を占領」…ウクライナ「激しい戦闘続いている」
ロシア軍が進撃し激しい戦闘の繰り広げられているハルキウ州北部の国境沿いのボルチャンスクで、燃えている建物の前を通るウクライナ警察=ボルチャンスク/AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ北東部の国境を越え、ハルキウ州に地上軍を進撃させ、地上戦線をウクライナ東部と南部から北東部まで拡大した。兵力と武器で押されるウクライナ軍をあちこちに所に分散させながら地上戦で優位を確実にする一方、この地域を「緩衝地帯」として確保しようとする作戦とみられている。

 ロイター通信などの報道によると、ロシア国防省は11日(現地時間)、自国軍が10日にウクライナ国境沿いのベルゴロドからハルキウ州に進撃したのに続き、国境付近の5つの集落を占領したと発表した。ロシア軍はハルキウ市から北東に70キロメートルほど離れたボルチャンスクを狙った大規模空爆を行った後、地上軍を投入した。ロシア国防省は、プレテニウカ、オヒルツェベ、ボリシウカ、ピルナ、ストリレチャなど国境沿いの5つの集落を解放した」と主張した。これらの集落は国境から3~5キロメートルほどの距離だ。

 ウクライナ側は、国境沿いの集落周辺で激しい戦闘が2日間続いたと述べた。ハルキウ州のオレグ・シネフボウ知事はこのように明らかにし、今後「戦闘がさらに拡散して圧迫が増大し、駐留軍隊が補強されるだろう」と述べた。だが、人口130万人のウクライナ2大都市であるハルキウ市から住民が避難すべき状況ではないと付け加えた。

ハルキウに対するロシア軍の攻勢//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日夜、クラスネなど他の地域でも戦闘が起きたとし、「わが軍の将兵たちが2日連続で反撃し、ウクライナ領土を守っている」と述べた。

 現地政府関係者らは、ロシア軍の攻撃後、1700人ほどの住民が安全な場所に避難したと明らかにした。AP通信は、自社の記者たちが住民避難支援チームに同行しているとし、多くの建物が破壊され、道路から人影が消えたと報道した。ロシアの戦闘機が空爆を続け、黒い煙が立ち上る中、道路のあちこちに爆撃で大きな穴ができ、燃える建物も多かったとも報じた。

 ボルチャンスク地域の軍政庁責任者、タマズ・ハンバラシビリ氏は「(ロシア)国境沿いの集落の状況が非常に悪い」とし、「空爆が続きミサイル攻撃や砲撃も続いている」と語った。

 ロシア軍は2022年2月に始まったウクライナ侵攻戦争初期にウクライナの首都キーウとハルキウ市周辺まで進撃したが、4月以後ウクライナ軍の激しい反撃に遭い、両地域から撤退した。特に、同年9月以降はハルキウ州から兵力を完全に撤退させ、東部のドンバス地域と南部ヘルソン州などにのみ地上軍を配置してきた。その後、ハルキウ州と国境近くのロシアのベルゴロド地域は、ウクライナ軍の主な攻撃目標になった。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年3月、ウクライナ軍の攻撃を阻止する緩衝地帯を自国の国境に近いウクライナ地域に作るよう指示した。この指示以後、ロシア軍がハルキウ州に対する空爆を強化し、この地域を緩衝地帯として確保しようとする作戦が差し迫ったものとみられてきた。

 米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、ロシア軍がハルキウ州で戦術的に相当な成果を上げたと分析した。

 ニューヨーク・タイムズ紙などの米国メディアは、今回の地上軍作戦がロシア軍の「春の大攻勢」につながった場合、2年以上にわたるウクライナ戦争が重大局面を迎える可能性があると指摘した。

シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1140217.html韓国語原文入力:2024-05-12 23:48
訳H.J

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