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米日、在日米軍司令部の強化を議論…「1960年の安保改定後で最大規模」

登録:2024-03-26 06:33 修正:2024-03-26 08:36
昨年9月、米海軍と日本の海上自衛隊が合同演習を行っている様子=海上自衛隊のSNSよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 米国と日本が中国を念頭に置いた在日米軍司令部の強化案を議論している。米軍と自衛隊の一体化を加速化するこうした動きについて、1960年の米日安保条約改定後では最大規模となる両国の安保同盟のアップグレードだとする評価も出ている。

 英国のフィナンシャル・タイムズ紙は24日(現地時間)、米日の軍事問題に精通した消息筋の話を引用し、「米国と日本が中国発の危機に対抗するため、1960年の米日安保条約後では最大規模の安保同盟のアップグレードを計画している」として、「両国間の作戦計画と訓練を強化するため、在日米軍司令部を再構成する計画」だと報じた。1960年の米日安保条約は安倍晋三元首相の祖父である岸信介が首相在職時に改定した条約で、米日同盟の根拠となる条約だ。フィナンシャル・タイムズは「来月10日に米国ホワイトハウスで開かれる米日首脳会談で、米国のジョー・バイデン大統領と日本の岸田文雄首相が関連の計画を共同発表するだろう」と付け加えた。

 日本はこれまで、東京の横田基地にある在日米軍司令部の権限が、自衛隊と米軍との合同演習の監督などに限定されており、戦争などの有事の際の対応に問題があると主張していた。日本の横須賀にある米軍第7艦隊や沖縄の米軍海兵隊など主要な在日米軍の戦力の指揮権は、東京から6200キロメートル離れたハワイの米軍インド太平洋軍にあり、台湾有事など急に差し迫った状況が発生した場合、自衛隊と米軍の間のリアルタイム協議は難しいと主張されてきた。日本は、在日米軍司令部の最高位職である中将にさらに大きな作戦権限を付与したり、大将を配置することを長く要請してきた。

 バイデン政権は、この問題を解決するための案の一つとして、米日連合軍司令部を作り、米太平洋艦隊に所属させる案を考慮している。フィナンシャル・タイムズが報じた。そうなる場合、権限がはるかに強い米軍の大将が日本とより多く接触することになる。韓国軍と米軍が共同で設けた連合軍司令部のように、迅速な対応が可能になるという期待もあることが分かった。米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」のアナリストのクリストファー・ジョンストン氏は、「司令部を部分的にでも共同配置すれば、米日同盟はさらに迅速に、地域の脅威に対する信頼できる対応が可能になり、『今夜でも戦う』(fight tonight)という(韓米連合司令部の)モットーにより近づくだろう」と分析した。

 読売新聞もこの日、在日米軍の司令部機能の強化のために米日両国が協議していると、複数の両国政府関係者の話を引用して報道した。日本が陸海空自衛隊の統合運営のために設ける「統合作戦司令部」の今年度末の創設にあわせて推進されている議論だとも報じた。同紙は、今回の見直しでは、在日米軍の指揮権はインド太平洋軍に残しつつ、在日米軍司令部の権限を強化する方向だと報じた。具体的には、合同演習の計画立案の権限などを与える案がある。自衛隊と在日米軍間の調整のための常設合同チームを日本国内に創設する案も浮上しているが、韓国とは違い、自衛隊と在日米軍の指揮系統は分離する方針だと報じた。

 日本は2022年、北朝鮮や中国などの周辺国の基地を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」(反撃能力)を保有することに決めた。過去70年あまり維持してきた安保政策を大転換した。自衛隊は「盾」で駐日米軍は「矛)」という役割分担は崩れ、自衛隊と米軍の一体化が急速に進展している。

 米国は、中国の軍事的・経済的な浮上への警戒から、日本を活用するためにこのような日本の変化を推し進めており、今回の米日同盟アップグレード案もこの動きの延長線上にある。

 平和ネットワークのチョン・ウクシク所長は「在日米軍と自衛隊の一体化は、すでに長きにわたり議論されていた話だが、実際に両国の合意がなされた場合、事実上、中国の勢力拡張と台湾問題を対象とするものであるだけに、中国が黙って見過ごしはしないだろう」としたうえで、「インド太平洋地域の情勢が不安定になれば、何らかの形で韓国にも悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1133743.html韓国語原文入力:2024-03-25 20:14
訳M.S

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