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[現場]日本が破綻危機の「六ヶ所核燃料再処理施設」を放棄できないわけは(2)

登録:2023-11-15 06:37 修正:2023-11-15 09:07
日本の「核燃料サイクル政策」の主軸、プルトニウム抽出施設が破綻の危機に
今月1日、青森県六ヶ所村にある日本原燃の「PRセンター」から眺めた使用済み核燃料の再処理施設。工場のあちこちでは数台のクレーンが忙しく動いていた=六ヶ所村/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

(1から続く)

 にもかかわらず、日本政府が再処理工場を放棄できないのは、安全保障上の理由が大きいとみられる。米国は1988年7月、米日原子力協定を通じて、日本が国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを条件に、「ウラン濃縮」と「プルトニウム抽出」の権限を「包括的」に認めた。日本はこの権限を活用し、その気になればいつでも核武装ができる能力を備えている。同協定は30年後の2018年7月に一度自動延長された。これに比べ、韓国は2013年2月末に行なわれた北朝鮮の3回目の核実験以後、プルトニウム抽出が容易でない「パイロプロセッシング(乾式再処理)」方式の再処理権限でも認めるよう求めたが、米国は2年間にわたる交渉の末、2015年4月にこれを断った。

 このような状況を考えると、日本は核燃料サイクル政策を放棄した場合、米国が認めた再処理権限を奪われる恐れがある。「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の浅石紘爾代表は「再処理施設が阻まれると、『核燃料サイクル』という国策事業は終わる。日本政府には、米国から苦労して手に入れた再処理の権限を失いかねないという危機感がある」と語った。

 そのためか、1993年に着工し当初1997年の完工を目標にしていた工場は、繰り返し発生した技術的欠陥と2011年の東日本大震災などの影響で26回も完工が延期されたが、事業は中断されていない。この過程で建設費は当初の7600億円から3兆2100億円に膨れ上がり、稼動後40年間の運営費など総事業費は約14兆7000億円にまで増えた。

青森県の住民たちの間で「核廃棄物の永久貯蔵施設が建設されるのでは」という不安高まる

 青森県六ヶ所村のもう一つの悩みの種は、高レベル放射性廃棄物の最終処分施設(永久貯蔵施設)の問題だ。日本政府が最終処分施設を同地域に建設するのではないかという不安が高まっている。

 現在「六ヶ所再処理工場」には全国の原発から送られた核燃料廃棄物約3千トンが保管されている。保存容量がほぼいっぱいの状態だ。日本原燃株式会社(日本原燃)は1998年、六ヶ所村と「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずる」という内容の覚書を結んだ。すなわち、再処理工場を放棄すれば、ここで保管していた核燃料廃棄物3千トンを各原発に戻さなければならない。しかし現在、日本全域の原発で独自保管中の核燃料廃棄物の貯蔵能力も約80%に達している。六ヶ所村に送った廃棄物が戻ってくると、原発の稼動を止めざるを得ない危機に追い込まれかねない。

 青森でリンゴ農業を営む古村一雄「核のゴミから未来を守る青森県民の会」共同代表(76)は「青森に最終処分施設ができる恐れがあり、今年4月に同会が作られた」とし、「下北半島周辺に原発関連施設が集中している。一つを受け入れると、その次(の受け入れは)はとても簡単になる」と懸念を示した。青森県下北半島には六ヶ所再処理工場だけでなく、大間原発(審査中)、むつ使用済燃料中間貯蔵施設(工事中)、東通原発(工事中止)など原発施設が集まっている。

 古村代表は「地元では六ヶ所再処理工場の稼動は難しいという意見が多い」とし、「この事業が始まっても、中断されても、青森に最終処分施設が入る可能性がある」と語った。日本原燃と青森県は六ヶ所村に一時保管中の、英仏から返還された高レベル放射性廃棄物を2045年までに最終処分施設に移すことを約束した。しかし、日本にはまだ高レベル放射性廃棄物最終処分施設がなく、これから作るとしても少なくとも30年以上かかる。古村代表は「放射性廃棄物を搬出するという約束や覚書は法律ではないため、守られないこともありうる」とし、「福島処理水(汚染水)でも見たではないか。東京電力の社長は漁業者たちと文書で約束したが、それは無視された」と指摘した。

 日本の原発政策の根本的な方向転換を求める声もあがっている。青森県議会の鹿内博議員は「原発で電気の恩恵を最も多く受けてきたのは大都市だ。しかし、原発が安全だと主張しながらも、大都市には関連施設がない。補助金を利用して経済的に厳しい地方に全て押し付ける構造が問題」だと批判した。さらに「原発政策と放射性廃棄物をどうすべきか、国全体が新しい議論を始めなければならない」と強調した。

六ヶ所村/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1116183.html韓国語原文入力:2023-11-14 14:08
訳H.J

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