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米国、韓国が送金した60億ドルの「イラン石油代」再び凍結

登録:2023-10-13 11:53 修正:2023-10-13 20:12
昨年10月、米国がイランを牽制するために東地中海に送った空母「ジェラルド・R・フォード」で戦闘機の離着陸訓練が行われている/AP・聯合ニュース

 米国がカタールの銀行に送ったイランの石油代金60億ドルを凍結した。

 ニューヨーク・タイムズは12日、米政府が韓国の送ったイラン産石油の代金を、イラン政府が使用できないようカタール政府と合意したと報じた。この代金は、もともとドナルド・トランプ政権が2019年にイランを制裁し、韓国が送金できないようにしたもの。米国は先月18日、自国民の収監者5人の返還に伴い、イランが食糧や医薬品の購入など人道目的にのみこの代金を使えるという条件をつけ、カタールの銀行に送金するようにした。

 しかし1カ月も経たないうちに、イスラム武装組織ハマスのイスラエル攻撃への対応として、引き出しが止められた。米国のウォーリー・アデエモ財務副長官は民主党議員らに「イラン政府は当面この金を引き出すことはできない」と表明した。イスラエルを訪問したトニー・ブリンケン国務長官は「この金は一銭も使われていない状態」だと明らかにした。

 このような措置は、ハマスを支援してきたイランを強く制裁すべきだという政治的圧力によって取られた。米国の政界からはイランの石油代金の再度凍結を求める声があがっている。ケビン・マッカーシー前下院議長は「イランは石油で稼いだ金でテロを支援している」とし、イランの石油輸出制限を要求した。リンジー・グラハム共和党上院議員は「バイデン政権はイスラエルとともにイランの石油施設の破壊計画を立てるべきだ」という発言まで口にした。

 米政府は、イランがハマスの攻撃に直接関与したという証拠は発見されていないと説明してきた。前日までしても、匿名の米政府高官らは、イランの指導者らがハマスの攻撃に驚いた反応を示したとし、イランの攻撃を事前に認知していたり直接介入した可能性は低いとみていた。ただし、米政府はイランがこれまでハマスを支援してきたとし、警告メッセージを明らかにしてきた。

 石油代金の引き出し凍結はイラン指導部を刺激するものとみられる。イラン政府は、ハマスの攻撃との関連性を強く否定している。

ワシントン/イ・ボニョン特派員ebon@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1111962.html韓国語原文入力:2023-10-13 09:02
訳C.M

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