ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は23日(現地時間)、国連総会の一般討議演説後の記者会見で、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の合意」によって、10月に北朝鮮を訪問すると述べた。
クレムリン(ロシア大統領府)は、プーチン大統領が今月13日、ロシアのボストーチヌイ宇宙基地で行った首脳会談で、金委員長の訪朝要請を受け入れたと明らかにした。通常、首脳会談を控えて外相級が相手国と議題などを調整することから、ラブロフ外相の訪朝はプーチン大統領の訪朝を準備する手続きである可能性がある。
ラブロフ外相はこの日ニューヨークで、訪朝日程に関する質問に対し「プーチン大統領は(北朝鮮との)協力を深めることで合意した」とし、「私は金委員長とプーチン大統領の合意によって平壌(ピョンヤン)で交渉を進める」と説明した。この発言から、今回の訪朝ではプーチン大統領の答礼訪問だけでなく、朝ロ協力の強化案も協議されるものと予想される。米国は朝ロ首脳会談で北朝鮮兵器のロシアへの移転が本格的に始まると警告している。プーチン大統領は2000年7月に訪朝し、金委員長の父親である金正日(キム・ジョンイル)総書記と首脳会談を行った。
ラブロフ外相は国連総会での演説で、米国が「朝鮮半島でヒステリーを引き起こしている」とし、朝鮮半島情勢における不安の高まりについて米国を非難した。また「人道主義と政治的解決を追求するロシアと中国の努力は拒否されている」と述べた。これは北朝鮮の国連安全保障理事会決議違反と関連し、中ロが追加制裁に拒否権を行使しているという非難に反論したもので、米国が制裁にこだわり、安全保障をめぐる北朝鮮の懸念と人道主義的状況には背を向けていると主張したものだ。
ラブロフ外相は同日の演説で、「米国と西側の手下集団は、人類を人為的に敵対的なブロックに分けている」、「彼らは世界が自己中心的なルールに従うよう強制している」として、ウクライナ戦争に対する責任を米国に転嫁した。また「北大西洋条約機構(NATO)の領域を東に拡張しようとする試みがあり、米国はそのために韓米日3カ国連合体など小規模の軍事・政治同盟を作っている」と述べた。