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3年ぶりに国境を越えた北朝鮮選手団…「回り回って」カザフスタンへ

登録:2023-08-19 10:07 修正:2023-08-19 10:22
国際テコンドー連盟(ITF)主催の世界選手権大会に出場するためカザフスタンに向かう北朝鮮のテコンドー選手団が18日、中国の北京空港でチェックインするため並んでいる=北京/AP・聯合ニュース

 18日午前、中国の北京首都国際空港に北朝鮮の国旗が掲げられ、「テコンドー」と書かれたトレーニングウェアを着た選手ら60~70人余りが到着した。AP通信が撮った写真によると、選手たちはカザフスタンのアスタナ行き航空機の搭乗手続きを終えた後、空港でストレッチをするなど体をほぐしていた。彼らは19日から26日までカザフスタンで開かれる国際テコンドー連盟(ITF)主催の世界選手権大会に参加する北朝鮮のテコンドー選手たちだ。

 2020年初頭の新型コロナウイルス感染症事態発生後、北朝鮮が大規模な選手団を国外に送るのは今回が初めて。北朝鮮は昨年末に友好国の中国がコロナ封鎖を終了し、5月に世界保健機関(WTO)がコロナ非常事態を終了した後も、国境を閉ざしたままほぼ隠遁状態を維持してきた。

 北朝鮮選手たちの行程はかなり複雑だ。彼らは16日午前11時頃、国境都市の新義州(シンウィジュ)から中国の丹東市に渡った後、14時間夜行列車に乗り、17日午前8時40分ごろに北京駅に到着した。選手たちは北京にある北朝鮮大使館で1泊した後、18日午前に北京空港から出国した。北朝鮮大使館内には、中国を一時訪問したり海外を行き来したりする北朝鮮の人々がしばし滞在できる400人規模の寮があるという。

 北朝鮮の選手らがこのような道のりを経ることに関しては、北朝鮮内の航空事情が思わしくないためだという解釈が出ている。北朝鮮からカザフスタンへは飛行機で直行できるが、彼らのための航空便を用意するのが難しいほど、北朝鮮内の空港は機能を失った状況だということだ。また、韓国メディアや外国メディアが北朝鮮選手団の移動経路について先に詳しく報道したため、従来の計画を変えて複雑に移動したのではないかという解釈も出ている。

 北朝鮮が3年間の隠遁状態を破り、大規模な選手団を外国に送ったのは、今回の行事が北朝鮮の主導するITFが主催する大会だからだ。ITFは、テコンドーの創始者である大韓民国の元将軍のチェ・ホンヒが設立した団体で、韓国が率いる世界テコンドー連盟(ワールドテコンドー、WT)とは違う団体。

 今回のテコンドー選手団派遣を契機に、北朝鮮がコロナ禍以降維持している国境封鎖を解除するのではないかという見方が出ている。早ければ9月に中国の杭州で開かれるアジア大会に大規模な選手団を派遣する可能性もささやかれている。しかし、今回の派遣も例外としてみなければならないという意見もある。北京の外交関係者は、「北朝鮮はITFの行事を特別なものと考えているようだ」とし、「方向性としては開放が正しいが、速いスピードでは進まないものとみられる」と話した。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1104825.html韓国語原文入力:2023-08-19 07:20
訳C.M

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