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「反転攻勢」に出たウクライナ、モスクワ中心部にドローン攻撃

登録:2023-07-31 08:31 修正:2023-07-31 11:28
南部ロストフ州などロシア後方地域を相次いで打撃
28日(現地時間)、ロシア国防省はロストフ州タガンログに飛んだウクライナのミサイルを上空から撃墜したが、その残骸のため負傷者が発生し、複数の建物が破損したと発表した/AP・聯合ニュース

 南部戦線でロシアの防衛線を突破するための本格攻勢に最近突入したウクライナが、ミサイルやドローンなどでロシア後方地域を打撃した。ロシア軍の集中力を後方に分散させようとする意図とみられる。

 ロシア国防省は30日(現地時間)未明、テレグラムを通じて、ウクライナがモスクワ中心部でドローン攻撃を行なったと明らかにした。ドローン3機のうち1機はモスクワのオジンツォボ地区上空から防空システムで撃墜し、残りの2機は電子戦で鎮圧したという。

 このドローンの残骸と推定される物体が、モスクワ市中心街に位置した「モスクワシティ」(国際ビジネスセンター)の事務用ビルを打撃した。それによって建物が一部破損したが、死傷者は発生しなかったと確認された。AFP通信が撮影した写真を見ると、被害に遭った建物の角にある窓数枚が飛び散り、鉄製の柱がひどく破損した様子を確認できる。この攻撃により、モスクワ市のブヌコボ国際空港が一時閉鎖された。

 6月初めに「大反撃」を開始した後、ウクライナは最近、ロシアの防衛線突破に向けた本格的な攻勢に出たものとみられる。これに合わせてミサイルとドローンでロシア後方を打撃しようとする動きを見せている。28日にはウクライナが発射したと推定されるミサイルが、ロシア南部のロストフ州に飛んだ。ワシリー・ゴルベフ州知事はこの日都心で、アゾフ海に面した都市タガンログがミサイルによって被害を受けた写真をテレグラムに公開し、「救助隊員が現場に行っており、死亡者はいない」と明らかにした。ロシア国防省もテレグラムを通じて「ウクライナがS200対空ミサイルを攻撃用に変え、タガンログの住居地域にテロ攻撃を行なった」と主張した。ロシアはミサイルが防空網によって空中で撃墜されたが、破片が市内に落ちて10人余りが負傷したと発表した。外国メディアは昨年2月の開戦後、ウクライナがドローンではなくミサイルでロシア本土を打撃したのは今回が事実上初めてだと伝えた。

 ロストフ州はロシアの西南部地域で、東部ドネツク州、ルハンスク州との国境に接した地域。今回の戦争でロシアの後方基地の役割を果たしている。タガンログはロシアが占領中のウクライナ南部地域との国境からは50キロメートル、戦線からは約150キロメートル離れている。この都市の外郭には、ロシアがウクライナ侵攻に使用している空軍基地もある。昨年春、ロシア軍がマリウポリ市を包囲した時、ウクライナ南東部の住民数千人がタガンログの収容所に送られたりもした。

 一方、ウクライナに対するロシアの攻撃も続いている。28日にタガンログが攻撃を受けた後、ロシアはウクライナ中南部のドニプロ市にミサイルを発射した。ウクライナはこの攻撃で子どもを含め9人が負傷したと明らかにした。29日にはロシアのミサイル攻撃によりザポリージャ州で2人が死亡。北東部のスーミ市でも少なくとも1人が死亡し、5人が負傷した。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1102282.html韓国語原文入力:2023-07-31 01:14
訳C.M

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