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旭日旗掲げた「いずも」に韓国の軍需支援艦が敬礼…日本メディア「関係改善の見通し」

登録:2022-11-07 06:22 修正:2022-11-07 08:03
日本で20年ぶりに国際観艦式を開催 
緊迫した朝鮮半島情勢の中、12カ国が参加 
韓国、世論意識したかのように軍需支援艦派遣
7年ぶりに日本の観艦式に出席した韓国は、12カ国のうち9番目に航海した。韓国の軍需支援艦「昭陽」の様子=海上自衛隊のユーチューブ動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 6日午前11時40分、神奈川県相模湾。

 日本の海上自衛隊創設70周年を記念して20年ぶりに開かれた国際観艦式で、韓国の最新鋭軍需支援艦「昭陽」(1万1千トン級)が、岸田文雄首相が搭乗した軽空母「いずも」の前に到着した。ラッパの音の後、「敬礼」の声に合わせ、韓国の若い海兵たちがいずもに向かって挙手敬礼をした。岸田首相は右手を左胸に添えて答礼した。

 いずもには、日露戦争(1904~1905)や第2次世界大戦(1941~1945)など日本が犯した侵略戦争の最前線に出た日本海軍艦艇と同じ旗が掲げられていた。旧軍国主義時代の日本海軍の旗だった「旭日旗」は、今もその形のまま海上自衛隊の旗として使われている。

 7年ぶりに日本の観艦式に参加した韓国は、12カ国のうち9番目に航海した。韓国政府は旭日旗をめぐる世論の反発を意識したためか、戦闘艦艇の代わりに軍需支援艦を送った。海軍は2002年に駆逐艦「広開土大王」を、2015年には駆逐艦「大祚栄」を派遣した。日本経済新聞は「(国際観艦式に)韓国の艦艇も加わった。韓日防衛当局の関係改善につなげる」と分析した。

国際観艦式に出席した12カ国18隻の艦艇に乗った外国将兵の栄誉礼を受けた岸田文雄首相が、「いずも」で右手を左胸に添えて答礼している=海上自衛隊のユーチューブ動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 観艦式は軍統帥権者が艦隊と将兵を査閲する儀式だ。日本の観艦式は通常3年に一度行われるが、自衛隊の大きな行事に合わせて国際観艦式の形でも行われる。今回の観艦式は2002年に続き20年ぶりに行われた国際観艦式だ。中国の浮上に対抗した西欧社会の団結を誇示するかのように、12カ国から18隻の艦艇が参加するなど、過去最大規模で行われた。特に米国とインド太平洋地域で日本の「準同盟」に地位が格上げされたオーストラリアが最も積極的に参加した。米国は艦艇1隻と航空機5機を、オーストラリアは艦艇3隻と潜水艦1隻を派遣した。

 この日、主催国の日本も海上自衛隊の護衛艦や補給艦、輸送艦など艦艇20隻と潜水艦3隻を次々と登場させるなど、軍事力を誇示した。いずもを中心に上空では日本が誇る対潜哨戒機P1を先頭に、対潜ヘリSH60K、主力哨戒機P3Cなどが姿を現した。 F2、F15J、F35などの戦闘機も披露した。

 この日の行事は、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗して米国が2017年12月以来約5年ぶりに「死の白鳥」と呼ばれる戦略爆撃機B1B「ランサー」を朝鮮半島に投入した翌日に行われた。北朝鮮に対抗して韓日米など14カ国が結集する形になった。岸田首相もそのような意図を隠さなかった。岸田首相はいずもの艦上で、北朝鮮に対し「今年に入り、かつてない頻度で新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)級を含む弾道ミサイルの発射を繰り返している。北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できない」と強調した。朝日新聞は「防衛省内には『(北朝鮮の追加の)ミサイル発射の可能性がないとは言い切れない』と警戒する声もある」と報じた。

赤い船が岸田文雄首相の乗った軽空母。向かい側で日本艦艇と12カ国18隻の艦艇に乗った各国将兵たちがいずもの前を通り過ぎながら敬礼をする=海上自衛隊のユーチューブ動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 岸田首相がさらに暗示したのは、中国の脅威だった。岸田首相は「東シナ海や南シナ海を含め、我が国を取り巻く安保環境は、急速に厳しさを増している。ルールを守らず、他国の平和と安全を武力の行使による威嚇によって踏みにじる者が現れる事態に、備えなければならない」と述べた。また、「本年末までに新たな国家安保戦略などを策定し、我が国自身の防衛力を5年以内に抜本的に強化する。国民を守るために何が必要か、あらゆる選択肢を排除せず、堅実的な検討を加速している」と付け加えた。北朝鮮や中国など周辺国のミサイル脅威に対抗して基地を直接攻撃できる「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を保有し、防衛費(国防予算)を増額するという意思を改めて強調したわけだ。同日、観艦式の旗艦の役割を果たしたいずもは、艦載機F35Bを搭載し、今後東シナ海や南シナ海で中国と対抗することになる。同日の行事は海上自衛隊のユーチューブを通じて全世界に生中継された。

 観艦式行事に続き、6~7日には関東南部地域で遭難・火災船舶に対する人道主義レベルの捜索・救助のための訓練(SAREX)が開かれる。7~~8日には横浜で第18回西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)が予定されている。シンポジウムにはイ・ジョンホ海軍参謀総長が出席する。同日は観艦式への参加を見送った中国も出席するという。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1065937.html韓国語原文入:2022-11-07 02:30
訳H.J

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