日本の消費者物価が、原材料価格の上昇と記録的円安などの影響で31年ぶりに3%台に急騰した。賃上げの実現が遅い中で物価が急騰し、家計に大きな打撃を与えている。
日本総務省が21日発表した9月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)によると、昨年同期に比べて3.0%上昇した。NHKは「消費税率引き上げの影響を除けば1991年8月(3.0%)以来最も高い上水準」だと報道した。バブル経済崩壊後、デフレ(持続的物価下落)で有名だった日本で物価上昇率が3%台を記録したのは31年1カ月ぶり。
消費者物価の上昇は13カ月連続で続いており、日本銀行が物価安定目標として掲げている2%を6カ月連続で上回っている。特に、庶民生活に直接的な影響を与える食品・エネルギーなどが大幅に値上がりした。食品(生鮮食品を除く)の場合、522品目のうち385品目(73.8%)の値段が1年前より高くなった。電気やガソリンなどエネルギー分野が16.9%、家電製品など家庭用耐久財が11.3%の上昇率を記録した。
日本の消費者物価の上昇が続いているのは、ロシアのウクライナ侵攻により原油・天然ガス・穀物などの価格が急騰したうえ、円相場が32年ぶりに最低水準に下落し、原材料など輸入費用が上乗せされたためだ。前日の20日、東京外国為替市場で円相場は1ドル=150円を突破し、21日午前も円相場は1ドル=150円前半で取引されている。このため、食品・外食・公共料金などの値上がりが続いている。
「失われた30年」と呼ばれる長期不況の中で物価変動を実感せず暮らしてきた日本の生活者は、影響をさらに大きく感じざるを得ない。日本銀行が13日発表した「9月 生活意識に関する調査」によると、生活者が感じる物価上昇率は1年前と比べて10%であることが分かった。朝日新聞は「身近な食品や電気料金の引き上げ幅が大きいためと見られ、 識者はこうした実感が財布のひもをより固く締めることにつながっていると指摘する」と報じた。
山際大志郎経済再生担当相は同日、記者団に対し、「物価高騰の要因の一つが円安だ。政府は円安による物価高騰に対してきちんと対処しなければならない」とし、「今月中に発表される総合経済対策に物価対応策を重点的に盛り込む」と述べた。日本政府は電気・ガス料金の一部を国費で支援する案を進めている。