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プーチン大統領、米国の「一極体制」を崩す「多極体制化は不可逆の過程」

登録:2022-07-02 09:07 修正:2022-07-02 10:30
サンクトペテルブルク国際法律フォーラムの挨拶で 
米国の「一極体制」崩すという戦力的認識を披露
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が30日、サンクトペテルブルクで開かれた国際法律フォーラムで、映像で挨拶している=サンクトペテルブルク/タス・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、現在は世界秩序が一極体制から脱し「多極体制へと進んでおり、これは逆戻りできない過程だ」と述べた。ウクライナ戦争以降の世界秩序の変化を眺めるプーチン大統領の「戦略的世界観」が過不足なく明らかになった言及であり、注目を集めている。

 プーチン大統領は30日、第10回サンクトペテルブルグ国際法律フォーラムで公開された映像での挨拶で、「最近ここで開かれた国際経済フォーラムに続き、多極化した世界で法律といったテーマについて議論することは非常に重要だ」とし、「実際、現在の国際関係は多極体制へと向かっており、これは逆戻りできない過程だ。これは我々の目の前で起こっていることであり、本質的に客観的なことだ」と述べた。さらに、「ロシアと他の多くの国々の立場は、このような民主的でより公正な世界秩序(多極体制)が相互尊重と信頼の上に作られなければならないというもの」だと付け加えた。

 この発言は、米国中心の「一極体制」がロシアのような国家には公正でないため、ロシアや中国などが率先して多極秩序を作っていくという意味と解釈される。さらに、米国が主導してきた自由主義的な国際秩序を崩すための一つの方法としてウクライナに侵攻したという意味とも理解できる。

 プーチン大統領はまた、米国に向けて「ある国々は国際舞台で彼らが優越性を喪失しつつあるという事実を受け入れる準備ができておらず、不正な一極モデルを維持するために必死になっている」とし、「彼らが規範に基づいた秩序と呼ぶ外皮の下で、彼らは世界的な手続きを任意に統制し、指示しようとしている」と皮肉を込めて指摘した。

 プーチン大統領は米国中心の一極体制を崩すために、国連や主要20カ国・地域((G20)会議、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、そして中国やインド、パキスタンなど8カ国の正加盟国を含む上海協力機構(SCO)などを通じて「関心のある国々と多極関係を発展させていく」と述べた。

 これを実践するために、中国とロシアは先月23~24日に中国の北京で開かれたBRICS首脳会議で、現在5カ国である加盟国を拡大することを決めている。その後、イランやアルゼンチンなどが加盟申請したことが確認されている。この日の発言からすると、プーチン大統領は多極体制を支持する国々の範囲を広げるため、11月にインドネシアのバリで開かれるG20首脳会議に直々に出席する可能性が高いと判断される。同大統領が会議に出席するとなれば、2月末のウクライナ侵攻以後初めてバイデン米大統領ら西欧指導者と直接顔を合わせることになる。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1049240.html韓国語原文入力:2022-06-3023:35
訳C.M

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