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ロシア軍にドローン飛ばした写真記者、遺体で発見…燃えた車には多数の弾痕も

登録:2022-06-24 06:30 修正:2022-07-07 06:37
国境なき記者団、現場調査の結果を発表 
写真を撮ったドローン、放電して森に墜落 
ドローンを探しに出て死亡したもよう 
「ロシア軍に不利な証拠、圧倒的に多い」
ウクライナの写真記者マクシム・レビン氏が乗っていた自動車が燃えた様子。3月28日、国境なき記者団が現場調査をした時に撮影した写真=国境なき記者会提供//ハンギョレ新聞社

 国際言論団体である「国境なき記者団」(RSF)が、ウクライナの写真記者が取材途中にロシア軍に処刑されたと明らかにした。

 国境なき記者団は22日(現地時間)、ウクライナの写真記者マクシム・レビン氏(40)が死亡した場所などを現場調査した結果をまとめた16ページの報告書「ウクライナの写真記者マクシム・レビンはどうやってロシア軍に処刑されたのか」を発表した。レビン氏はウクライナの報道機関やロイター通信などに写真を提供していたフリーランスのカメラマンで、4月1日、キーウから20キロメートル離れたモシュチュン村付近の林で、遺体で発見された。

 報告書によると、レビン氏はロシア軍がキーウ攻勢を続けていた3月10日、ウクライナ軍人のオレクシー・チェルニショフ氏と他のウクライナ軍人1人と共にモシュチュン付近に向かった。彼はロシア軍占領地域にドローンを飛ばした。重要な写真が撮影されたドローンは充電不足で森の中に落ちた。携帯電話で受け取った写真は解像度が低かったため、レビン氏は3日後の3月13日、危険を冒してドローンを回収しにチェルニショフ氏と共に森の中に行き、行方不明になった。2人は同日、最期を迎えたものと推定される。

 国境なき記者団は「レビン氏とチェルニショフ氏は(ロシア軍によって)処刑された」とし、「ロシア軍に不利な証拠は圧倒的に多い」と明らかにした。燃えた状態で発見されたレビン氏の車には14発の弾痕が残っていた。弾痕分析によると、近距離で銃撃されたものと推定される。車内からはロシア軍が使用する銃の弾丸も出た。2人の遺体は、ロシア軍がキーウ周辺から退却してから、かなり時間が経った4月1日に収拾された。ロシア軍が退却して地雷を設置した可能性が高く、現場への接近が容易ではなかったためだ。

 レビン氏は胸と頭に銃傷が残った状態で遺体で発見され、チェルニショフ氏の遺体は燃えていた。ウクライナ検察は翌日の2日、レビン氏がロシア軍に銃撃されて死亡したと発表した。国境なき記者団は「犯罪現場の写真と現場調査の結果、収集された証拠は(ロシア軍が)処刑を行ったことを裏付けている。その前に尋問または拷問があった可能性もある」として、「レビン氏と彼の友人は信頼できる情報を得るために命を捧げた」と述べた。さらに「我々は彼らのおかげで真実を知ることができた。我々は彼らを処刑した人を捜し出し、明らかにするために戦う」と約束した。

 国境なき記者団は3月24日から今月3日までレビン氏の死亡事件を調査し、ウクライナ検察の捜査にも協力したと明らかにした。同団体によると、レビン氏を含め、ウクライナ戦争の取材過程で死亡した記者は8人にのぼる。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1048209.html韓国語原文入力:2022-06-2402:31
訳H.J

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