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紛争地域取材が専門の米国人ジャーナリスト、キエフ近郊で撃たれ死亡

登録:2022-03-14 20:39 修正:2022-03-15 07:45
イルピン激戦地で取材のため車両移動中に襲われ 
ロシア軍が銃撃…ニューヨーク・タイムズなどでも仕事
ブレント・ルノーさん(右)が彼の兄のクレイグ・ルノーさんと共に2015年5月31日、ニューヨークでピーボディー賞の授賞式に参加している=ニューヨーク/AP・聯合ニュース

 ウクライナで取材中だった米国のジャーナリストが、ロシア軍の銃撃により死亡した。

 ウクライナ当局は13日、米国のジャーナリストであるブレント・ルノーさん(50)がキエフ(現地読みキーウ)近郊の都市イルピンでロシア軍の銃に撃たれ死亡したと明らかにした。イルピンは、最近数日間ロシア軍とウクライナ軍が激しい交戦を行ったところだ。

 ルノーさんは車でイルピンに設置された検問所に向かっていたところで銃撃を受けた。当時、車両に同乗していた同僚ジャーナリストのフーアン・アレドンドさんは、イタリアのマスコミに「私たちはイルピンで最初に橋を渡り、他の難民が出発する様子をカメラに収めようとした。ある人が私たちを次の橋に連れていくと言うので車に乗った。私たちが検問所を過ぎると彼ら(狙撃者)が私たちに向かって撃ち始めた」と話した。ルノーさんは首を撃たれて死亡、アレドンドさんは背中を撃たれ負傷し病院に搬送された。キエフの警察当局は、ロシア軍がルノーさんの乗った車両に向けて発砲したと明らかにした。

 ルノーさんはフリーのジャーナリストであり、ドキュメンタリー製作者として活動してきた。イラク戦争、アフガニスタン戦争、ハイチ地震、メキシコの麻薬カルテル暴力、エジプトの政治変革、アフリカと中東の極端主義運動など、世界各地の危険な紛争地域などを縫うように取材してきた。2014年には、兄のクレイグ・ルノーさんと共に、シカゴの青少年学校を扱ったドキュメンタリーを製作し、米国放送界の最高権威である「ピーボディー賞」も受賞した。ルノーさんは今回もウクライナ難民問題を扱ったドキュメンタリーを製作するために取材中だった。

 ルノーさんの遺体からは「ニューヨーク・タイムズ」の記者証が見つかった。これについてニューヨーク・タイムズは、ルノーさんの死亡に哀悼の意を表わし「ルノーさんは過去に一緒に仕事をしたが、2015年以後は当社の業務に携わっていなかった」と話した。

 これに先立って、「スカイニュース」の取材陣もキエフ近郊のブチャで取材中に銃撃を受けた前例がある。当時、特派員とカメラマンが負傷してウクライナから撤収した。また1日には、ロシア軍がキエフのテレビ塔を爆撃し5人が死亡したが、その中にはカメラマンのイェブヘニ・サクンさんが含まれていた。ルノーさんはウクライナで亡くなった二人目のジャーナリストだと「ワシントン・ポスト」は報道した。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1034710.html韓国語原文入力:2022-03-14 11:31
訳J.S

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