世界最大の検索エンジン企業であるグーグルのロシア子会社が破産を申請した。グローバル企業がロシアから撤退するケースも増えている。
18日、AP通信など海外メディアによると、グーグルのロシア子会社が破産通知書をロシア当局に提出したと発表した。同社は声明で「ロシア当局が銀行口座差押え措置により、従業員の雇用や賃金支給、取引業者に対する代金支給、その他財政的義務の履行などができなくなったため、(ロシア子会社が)破産を申請した」と明らかにした。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは3月末、モスクワ裁判所からグーグルのロシア子会社が主取引銀行の口座凍結措置を受けてから、グーグルがロシアにいる従業員に国外移動を勧めはじめたと、匿名の消息筋を引用して報道した。その後、裁判所の執行官が凍結された口座からお金を他のところに振り替えたという。グーグルはロシア当局の規制に従わなかったという理由で、最近数回罰金を科された。ただし、ロシアのグーグル子会社の口座差押えの金額など、具体的な事項は明らかになっていない。
グーグルは2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以降、従業員をロシアの国外に移動させたが、一部は残っている状態だった。今回の破産申請後、グーグルのロシア子会社の従業員らは、グーグルが大規模な事務所を構えているアラブ首長国連邦(UAE)やドバイなど国外に移動する可能性がある。ロシアに残ることを選択する人々は退社する予定なので、近いうちにロシアではグーグルの従業員はいなくなると、同紙が消息筋の話として報じた。グーグルは3月から広告営業などロシア内の商業的活動は中止した状態だった。ただし、グーグルは子会社の破産申請でロシアでの事業を実質的に終了したが、ロシア利用者のために検索やユーチューブ、Gメールなど無料サービスは引き続き提供すると発表した。
グーグルの措置はウクライナ戦争以後、ロシアと西側企業の関係悪化を端的に示す事例だ。3月22日、ロシア裁判所は米国のソーシャルメディア企業「メタ」が運営するフェイスブックとインスタグラムのロシアでの活動を中止する命令を下した。 海外メディアはこれを、ロシアが戦争に関する世論を自国に有利に導くようメディア関連企業を規制するものだと分析した。ロシアは18日、カナダ公営放送「CBC」のモスクワ支局の閉鎖も強行した。ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は同日のブリーフィングで「CBCのモスクワ支局を閉鎖し、支局所属記者の取材許可証とビザを取り消す」とし、「カナダの行動に対する報復措置」だと述べた。カナダ当局がロシア官営国際放送「RT」のカナダでの放送を禁止したことに対する報復措置であることを明らかにしたのだ。
西欧企業はロシアのウクライナ侵攻以降もロシア進出事業体自体はしばらく存続させたが、ここのところ完全撤退を宣言する企業が相次いでいる。米国ファストフードチェーン店のマクドナルドは16日、「ウクライナ戦争による人道的危機と予測不可能な事業環境」などを理由に挙げ、ロシア内店舗をロシア企業に売却すると発表した。マクドナルドは3月から運営を中止した際も、従業員の給与を支給し続けていたが、結局これ以上事業の見通しが立たないと判断し、事業体の整理に乗り出した。旧ソ連時代の1990年、モスクワ市内に初店舗をオープンして以来、32年での撤退となる。フランスの自動車メーカー「ルノー」も同日、ロシア子会社の持ち分を全てロシア政府とモスクワ市に売却すると発表した。ルノーは「ラーダ」ブランドで有名なロシアの自動車メーカー「アブトヴァース」の持ち分を含め、ロシア事業全体をたった2ルーブル(約4円)で売却したと、フィナンシャル・タイムズは報じた。同紙の報道によると、ルノーはこれにより22億ユーロを損失処理することになったという。