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ロシアの「重要産業」から手を引くグローバル企業…エネルギー・自動車企業らが撤退

登録:2022-03-02 04:22 修正:2022-03-02 08:01
エネルギー企業シェル「ウクライナの人命被害に衝撃」 
ダイムラー・トラック、ボルボなどもロシアでの販売中止 
ウォルト・ディズニーもロシアで映画公開せず 
ロシア、外国人投資家による資産回収の一時制限措置ちらつかせ
英国とオランダの世界的エネルギー企業「シェル」は28日、ロシア国営ガス会社「ガズプロム」との合弁プロジェクトを含むロシアのすべての事業から撤退すると発表した/AP・聯合ニュース

 世界屈指の諸企業が、ウクライナに侵攻したロシアから相次いで撤退を始めている。ロシアは、外国人投資家によるロシア国内の資産の回収を制限する措置をちらつかせている。

 英国とオランダの世界的エネルギー企業「シェル」は28日(現地時間)、ロシア国営のガス会社「ガズプロム」との合弁プロジェクトを含む、ロシアのすべての事業から撤退すると発表した。シェルはこの日発表した資料で、世界最大規模の石油・ガス開発プロジェクト「サハリン2」から離脱すると発表した。この事業にはロシアのガズプロム(出資比率50%)、シェル(27.5%)、三井物産(12.5%)、三菱商事(10%)が共同で参加している。シェルのベン・ヴァン・ビューデン最高経営責任者(CEO)は「ウクライナの人命被害を見て衝撃を受けた。これは欧州の安全保障を脅かす無分別なロシアの軍事的侵略行為によって生じたものだ」と述べた。また同氏は「世界各国の政府と協議しつつ、関連制裁を順守する予定」と付け加えた。シェルは「サハリン2」のほか、ロシアで進めている石油開発、パイプライン供給、エネルギー開発などのその他の事業もすべて中止すると付け加えた。

 ノルウェーの国営エネルギー企業「エクイノール」も同日、ロシアの事業への新規投資を中止し、既存の合弁会社も売却すると発表した。エクイノールのアンダース・オペダルCEOは資料を発表し、その中で「ウクライナに侵攻した状況において、ロシアでの事業を維持することはできない」と述べた。英国のエネルギー開発大手BPも27日、保有するロシア国営石油開発会社ロスネフチの株(持株比率19.75%)をすべて売却することを決めた。現在の市場価値は140億ドル(約17兆ウォン)にのぼる。30年余りにわたってロシアで事業を行ってきたBPは、ロシア最大の外国投資家に数えられる。

 自動車業界もロシアから手を引きはじめた。ドイツのダイムラー・トラックは、ロシア最大の装甲車メーカー「カマズ」との協力を中止することを決めた。今後はトラックの生産や部品供給を行わない方針だ。スウェーデンのボルボ、ドイツのフォルクスワーゲン、米国のゼネラル・モーターズ(GM)なども、ロシアでの自動車販売を中止すると発表した。ウォルト・ディズニーは28日に声明を発表し、ロシアでの映画公開を中止すると明らかにした。日本経済新聞は「ロシアは資源以外にめぼしい産業がなく」、「厳しい制裁に耐えられるかは、ロシアと関係が近い中国の出方がカギをにぎる」と指摘した。

 ロシアのミハイル・ミシュスチン首相は1日、外国企業のロシア事業からの撤退は「政治的圧力」のせいだとし「(外国企業の)資産のロシアからの離脱を一時的に制限する大統領令が準備されている」と述べた。ただし、具体的な方法は明らかにしていない。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1033052.html韓国語原文入力:2022-03-01 16:44
訳D.K

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