20~24日の韓日歴訪を控え、ジョー・バイデン大統領が12~13日、史上初となる米国・ASEAN特別首脳会議を開き、東南アジア諸国との連帯強化を試みた。米中の間で「戦略的バランス」を合わせようとするASEAN諸国は、中途半端な反応を示した。
バイデン大統領は、13日午後の首脳会議での演説で、「ワシントンで史上初の米国・ASEAN首脳会談を開催することができ、素晴らしいことだ。私たちは、米国とASEAN間の45年にわたるパートナーシップと友情を祝うだけでなく、両者の『新時代』(new era)を開いている」と述べた。ホワイトハウスはこの日、「2022年ASEAN特別首脳会議・共同ビジョン声明」を出し、米国とASEANの新時代の幕開けを宣言した。この日の会談には、まもなく任期が終わるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領と昨年1月のクーデターで政権を取ったミャンマーのミン・アウン・フライン最高指導者を除く他の8カ国すべての首脳が参加した。
共同声明で両者は、経済的な絆の強化▽海洋協力の増進▽平和維持▽気候変動への対処など、協力可能な合計8つの項目に言及し、連帯を強化することにした。米国は、ASEAN諸国の平和維持と経済的な絆の強化のために、1億5000万ドル(約190億円)を支援するという計画も明らかにした。
バイデン大統領は今回の会談で、中国を牽制する新たな経済構想である「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)の加盟を勧めたことがわかった。これを示すかのように、米国は声明で、「私たちはこの地域(ASEAN)において、より力強く包括的な経済成長を推進し続けることに専念している」と明らかにした。
バイデン大統領は、20~22日に韓国を経て訪問する日本で、IPEFを正式に発足させる見込みだ。アジア太平洋地域の二つの主要な同盟国である韓国・日本との結束を強化することに先立ち、“中立地帯”にあるASEANを積極的に取り込もうとする米国の本音を読みとれる。ロイター通信も14日、米国のそのような姿勢について、現在進行中のウクライナ戦争でもインド太平洋を主要な戦略地とみなしており、長期的にこの地域で中国を牽制することに焦点を合わせていると解説した。
このような米国の積極的な歩みにもかかわらず、ASEAN諸国は微妙な立場を示したことがわかった。ASEANのなかでも、主要国であるインドネシアとマレーシアは、IPEF加盟に対して正式な立場を明らかにしなかった。タイも「依然として」参加の可否を検討中だ。シンガポールとフィリピンだけが加盟するものとみられる。米国の政治専門サイト「ポリティコ」は、米国または中国のどちらか一つの国家によって支配されることを望む東南アジアの国はないとしたうえで、これらの国々は自国の経済の発展のために外交の多極化を試みていると分析した。
キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )