先月30日と今月1日、民間人約1千人が水と食糧不足に苦しみながら閉じ込められているウクライナのマリウポリの製鉄所から、一部の民間人が相次いで脱出に成功した。
ロイター通信は1日午後、アゾフスタリ製鉄所にいた民間人約40人が、ロシア軍の護衛の中、国連のロゴが付いたバスで近隣の村に到着する姿を自社のカメラマンが確認したと報じた。民間人の大規模な犠牲が懸念され、国連と国際赤十字委員会はロシアの同意のもと、民間人の外部避難作戦に乗り出すことにした。AP通信は、国連がマリウポリの製鉄所の民間人救助作業が進められていることを確認したと報じた。
これに先立ち、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に残っているウクライナのアゾフ大隊の関係者は、民間人20人が30日に製鉄所から脱出したと明らかにしたと、米CNN放送などが報じた。アゾフ大隊のスビャトスラフ・パラマル副司令官は、同日午前6時から数時間ロシア側と一時的な休戦に合意し、民間人20人をロシア軍と合意した地点に送り出したと話した。また、製鉄所を脱出した人々は女性と子どもたちだとし、「彼らが合意した移動先のザポリージャに着くよう望む」と付け加えた。同副司令官は「製鉄所内の民間人脱出作業を続け、すべての民間人が無事脱出することを期待する」と述べた。彼は負傷した軍人も脱出できるよう許容されなければならないと指摘した。
アゾフスタリ製鉄所では、ロシア軍の占領に対抗して海兵隊とアゾフ大隊所属の軍人約2千人が抵抗しており、民間人も約1千人が避難しているという。このうち600人余りの民間人と軍人が負傷しているが、まともな治療を受けられずにいると海兵隊関係者が明らかにした。CNNは、米国企業「マクサー・テクノロジーズ」の衛星写真を分析した結果、アゾフスタリ製鉄所内の建物がほぼ全壊したと報道した。
ロシアはマリウポリの都市の大部分を占領して外部の接近を遮断してきたが、マリウポリ市議会は1日から外部に行くことを望む住民は移動が許可されると明らかにした。
ロシア軍は東・南部地域への攻撃を続けており、オデーサ(オデッサ)空港の滑走路がミサイル攻撃で破壊される被害を受けた。